第115話 西園八校尉
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、他の者にも口止めをしておった。そのことで袁紹を責めることなきよう」
皇帝は私の態度に満足したように話を続けました。
「皇帝陛下の御心のままに。我が妻にご高配を賜り感謝の極みにございます」
私は陛下の命に従い旨と麗羽の昇進の礼を言いました。
その後は皇帝と一緒に麗羽達の率いる西園軍の御馬揃えを観覧しました。
私より先に来ていた重臣に西園軍の説明を受けました。
西園軍を組織する上級武官は『西園八校尉』と呼ばれ、蹇碩を筆頭にした軍制のようです。
上軍校尉 蹇碩
中軍校尉 袁紹
下軍校尉 鮑鴻
典軍校尉 曹操
助軍校尉 趙融
佐軍校尉 淳于瓊
宦官の蹇碩が何で武官のトップなのか甚だ疑問ですが、皇帝の私費で創設した軍なので余計なお世話だと思いました。
麗羽が西園八校尉の中軍校尉に任じられ、虎賁中郎将の官職はそのまま兼任することになるそうです。
西園八校尉の官職は宮廷内では幅を効かせることができますが、外ではそれほど影響はないでしょう。
高位の官職より地方官の官職の方がこれからの時代は旨味があると思います。
地方官の官職はその担当地を支配する正当性になりますが、中央の官職は箔付けにしかなりません。
「劉将軍」
私が西園軍の勇姿を眺めていると私の横に張譲が来て私に声を掛けてきました。
「劉将軍」
張譲は私にのみ聞こえるような小さな声で再度呼びました。
「張譲殿、私に何かご用でしょうか?」
私は張譲同様、彼にしか聞こえない声で返事をしました。
「劉将軍、聞こえていないかと思いましたぞ。ああ、顔を向けず、そのままで」
私は張譲の言う通り西園軍の行軍を見続けました。
私も彼の顔を見たくなかったので調度いいです。
「何用でしょう?」
「即答ですな。劉将軍、まだまだお若いですな」
張譲は引い声で笑いました。
「まあいいです。劉将軍、皇帝陛下が重要な儀あり明日夜に宮廷に参内ください。宮廷への門は全てしまっております故、使いの者を向わせます」
私は張譲の話に緊張しました。
とうとう皇帝が俺を呼びつけました。
張譲の態度からしてきな臭いがしてきます。
「重要な儀とは?」
返事は期待しませんでしたが張譲に尋ねました。
「この張譲が陛下の御心を知るわけがございますまい」
張譲は表情を崩さず応えました。
「協皇子の件か?」
私は周囲を気にしながら声を押し殺したように張譲に聞き返しました。
張譲は何も応えず沈黙しています。
私はそれを肯定の返事と受け止めました。
「相分かった」
私は重い口を開き張譲にのみ聞こえるように言いました。
屋敷に戻ったら直ぐに麗羽、揚羽、冥琳に相談しなければならない。
私
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