第115話 西園八校尉
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私をその後見人にしようとしている皇帝がおいそれと冀州に返すとは思いません。
地方で勢力を築いていた私を皇帝が招聘する意味は一つしかありません。
劉協の後見人としての私の足場を固めるつもりでしょう。
でも皇帝は私に全幅の信頼を置いている訳でないと思うので後見人の一人という位置づけでしょうけど。
兎に角、皇帝は私が地方に篭り続けることは望んでいないと思います。
事実、私が地方に篭っている間、車騎将軍の官職を解官していないです。
車騎将軍の官職は外戚の有力者や戦功特に著しい臣下に与える官職です。
私の戦功は大きいかったですが、車騎将軍の官職に相応しいかは疑問があります。
当時はあまり気にしていませんでしたが、よくよく考えると皇帝に一物あるのでないかと思っています。
不安です。
皇帝が生きている間に『劉協の後見人』としての私の立場が確立するのは絶対に避けなければいけません。
用は劉協が私を信用できない人物と思えばいいのです。
皇帝が劉協は聡明と言っていました、その言が多少色眼鏡であろうと頭はそこそこいいのでしょう。
ならば私に不信感を抱かせることは容易いことです。
皇帝が健在の間は私を危険な存在と思わない程度に不信を買うように仕向けることにします。
このままでは董卓が朝廷を牛耳る段階まで洛陽に縛られ、都の混乱に乗じ冀州に帰還ということになりそうです。
そうならないためには必ず州牧になる必要があります。
未だ地方の黄巾の乱の余波は燻っています。
紛争を解決するには国境を無視して横断的に兵を動す権限を持つ者が必要となっています。
ですが、兵権のみでは兵を動かすために必要な金と食料を自由に差配できません。
だからこそ兵権、行政権、徴税権を持った州牧が必要なのです。
皇帝は必ず州牧制を復活させると思います。
そのときに私は対象者から外れる可能性があります。
私が州牧になるには正攻法では無理かもしれません。
この件は揚羽に相談して決めることにしようと思います。
無い頭で権謀を巡らしても意味がない気がします。
「こちらにございます」
私が今後のことに思案しながら歩いていると宦官が声を掛けてきました。
「ああ」
私は宦官に声を掛けられ彼の後を着いて行きました。
宦官進み先には皇帝が御輿の上で豪奢な椅子に腰を掛け、御輿の周囲に重臣と上級武官と思われる武官達が並んで立っていました。
その上級武官達の中に既知の者がいました。
麗羽と華琳、そして蹇碩。
『西園八校尉』という言葉が頭に浮かびました。
視線を重臣達に向けると張譲と月華(盧植)がいました。
月華は私に会釈をしてきましたが、張譲は普通に挨拶をしてきました。
張譲が素直に挨拶してくると違
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