第115話 西園八校尉
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けております」
「そうか」
私は宦官に射殺す目付きで冷徹な視線を送ります。
「りゅ、劉、しょしょ将軍、こここの先にひ、広場がございます。そそこに案内せよと承っております」
宦官は私の表情に怯えを抱き震えながら答えてきました。
広場?
私は宦官の言った「広場」という言葉を反芻しました。
宦官が謀略の片棒を担ぎ、私に良からぬことを考えているのでないかと勘ぐりましたが杞憂のようでした。
よく考えれば、皇帝自身が私を始末したいと考えない限り、皇帝健在の状況で宦官や官僚連中で私を謀殺するメリットはありません。
皇帝が私を始末したいのなら、こんな面倒なことをする必要はありません。
官位官職を剥奪した後、追手を差し向ければいいだけです。
皇帝は私の力の秘密は知りませんから、私を殺せるかどうかは別にしてそうすると思います。
「すまなかった。案内を頼む」
私は表情を和らげ宦官に言いました。
「は、はい!」
宦官は私の態度に安堵し先に歩きはじめました。
宮廷内を歩くこと一時間、ようやく目的の場所につきました。
その場所には一万近いの兵士が隊列を組んで並んでいます。
何だこの兵は?
私は目の前に整列する兵士を見て驚きました。
兵士達は新調した武具に身を包み、武具の絢爛さのお陰で精鋭軍を彷彿させましたが、所々急ごしらえの軍であることを感じさせる粗が見えました。
そのことを差し引いても将官の命令に従う彼らの動きを見るに全体的に兵の質は高いです。
「金が掛かっているな」と独り言を心の中で呟きました。
兵士達は今後の調練で精鋭群に変わると思います。
私が冀州に戻るときは幾らか兵士を引き抜ければ、私の軍の増強になるのですが。
反董卓連合後で洛陽を制すまでは難しいでしょう。
皇帝直軍を自由にするには皇帝健在の今は無理な上、劉弁、劉協のいずれが皇帝に即位した後に彼らの側近になる必要があります。
しかし、私はそうなることを望んでいません。
漢王朝は一度潰す必要があります。
その上で劉氏である私が漢王朝を再興します。
漢王朝の官僚機構に巣食う者立ちの腐敗は今のまま粛正するには無理があります。
民草のことを考えれば目先の上では民草の犠牲を最小にする漢王朝を維持することがいいのでしょうが民草の生活が楽になることはないです。
今の統治システムを一度リセットして官吏の総入れ替えを行なうことが将来、民草の生活を楽にできる道と信じています。
そのために私は中央の権力闘争には関わらず、地方で力を蓄えることに集中したいです。
私は皇帝が崩御する前に私は冀州に戻りたいのですが状況的にそうもいかないと思っています。
皇帝は劉協を次の皇帝に押したいと考えています。
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