第115話 西園八校尉
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私と冥琳は側室の件でご機嫌斜めの麗羽からこってりと絞られました。
朝が明けるまで説教を受け、説教から解放された時には私と冥琳は邁進総意の状態でした。
お陰で私と冥琳はその日一日中爆睡していました。
麗羽に剣で斬りつけられると覚悟していましたが、そうはなりませんでした。
彼女の腕では私は死なないと思いますが夫として防御せずに斬りつけられる覚悟はありました。
「ふふふ、正宗様が無事に帰ってきてくれたことが一番嬉しかったですわ。確かに腹が立ちましたが、正宗様と冥琳さんをお説教してスッキリしました」
そのことを爆睡から覚醒後に麗羽に言うと彼女は笑って言いました。
彼女の笑顔に私の心は奪われ、同時に彼女に申し訳ないと思いました。
今回のことで私は彼女を困らせるのを最後にすると心に誓いました。
それから数日もせずに私は宮廷に召されました。
私は麗羽に宮廷に向うことを言付けしようと思いましたが、彼女は屋敷にいませんでした。
下女の話によると麗羽は仕事で先に家に出たそうです。
現在、私は皇帝に会いに宮廷の中を宦官に案内されるがまま歩いています。
勿論、武器は携帯していません。
宮廷内での帯剣を許されるのは余程のことがなかればないと分かっていますが、有事の場合は最悪の結果になりそうです。
私の場合、時間制限付きですがチート能力で一切の攻撃を防御できますが生きて逃げ果せるかわかりません。
何進が宮廷に呼び出されて暗殺された理由がよくわかります。
この広い宮廷で武器無しで逃げ果せるのは至難の業だと今更ながら理解しました。
こんなことを考えるのは何進の死が迫っているということを感じているからでしょう。
私は何進を見捨てることができるのでしょうか?
彼女のことは見捨てるしかないのです。
でなければ歴史は進まない。
私の歴史の介入でどれほどの影響があるかわかりませんが、皇帝の崩御で宮廷の権力闘争が激化するのはわかりきっています。
権力闘争の中心は宦官派と何進派。
渦中の中心人物である何進が生き残る公算はそもそも低いです。
何進が権力を全て放棄したところで宦官派が彼女の見逃す可能性はないでしょう。
中央の権力闘争は私にとっては好気の到来です。
宮廷が荒れれば荒れる程、地方への宮廷の力は弱まります。
私はその機を逃さず、地方での力の掌握を進めるだけです。
何が何でも青州を抑え幽州、冀州、青州の華北の大半を統べて見せます。
「おい、何処に向っているのだ?」
私は突然、宦官に対し威圧的に呼びかけました。
案内されていて不自然に感じましたが皇帝と面会する玉座の間のある方向より西側に向っています。
「劉将軍、陛下のお申し付けでこちらに案内せよと命を受
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