―修学旅行 後編―
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「痛てて……」
鏡の中に頭から突っ込んだせいか、どうやら気を失っていたようだった。
辺りに一緒に突っ込んだはずの氷丸の姿は見えず、また、俺がどこにいるかも解らない。
大徳寺先生の錬金術の本に吸い込まれて閉じ込められた時といい、俺は何かに吸い込まれることに縁でもあるのだろうか……出来ればそんな縁は今すぐ切りたいところだが。
とりあえず立ち上がって辺りを改めて見直してみるが、人っ子一人も姿は見えず、場所も少なくてもラー・イエローの旅館ではない、というぐらいしか見て取れない。
……強いて言えば、一度本で読んだことのあるバーチャル空間に極似していることが挙げられる。
デュエル・アカデミアに入ってからは、活かす機会がデュエルディスクの調整ぐらいしか無いのだが、こう見えて俺は元々機械には強い。
それに、現実世界とは思えないこの空気から考えるに、1日早く約束の場所に来てしまったということだろうか……いや、今まで寝てしまっていたせいで正確な時刻は解らず、PDAも圏外を示しているのだが。
さてどうしたものか、と頭を捻っていた時、突如として俺の背後から光が差し込んでくる。
そのままその光は拡散し始め、収束すると同時に白いスーツ姿の少年がそこにはいた。
「……エド!?」
今このバーチャル空間に来たのは、あのプロデュエリストであるエド・フェニックス……確かにこの修学旅行には来ていたようだったが、思いも寄らぬ人物の登場に、俺は驚きを露わにする。
「遊矢……なぜお前がここにいる?」
現れたエドの方も状況を理解できていないようで、俺ほどには驚かなかったものの、イレギュラーである俺を睨みつけていた。
更に横方向にエドの時と同じように光が出現し、収束した後にまたもや見知った顔が現れた。
「遊矢に……エド!?」
「無事が遊矢!」
新たに現れた二人は、今や少し珍しくなった赤い制服を着た十代と、我が親友でありライバルである三沢であった。
「無事と言えば無事だが……今起きたせいで、何が起きているかは解らない」
「なるほどな……気づいているとは思うが、ここは海馬ランドのバーチャル空間だ。俺は吹雪さんに連絡を受けて、十代を連れてここに来たんだ……エドがここにいる理由は解らないが」
三沢がざっと説明してくれたおかげで、大体の状況を理解出来た……今は、吹雪さんと氷丸のデュエルからはあまり時間はたっておらず、吹雪さんから連絡を受けた三沢が、十代を連れて迅速に海馬ランドに来てくれた、というわけだ。
「《リボルバー・ドラゴン》で起こされた時は何かと思ったぜ……なあエド、お前はどうしているんだ?」
「お前たちには関係ない」
流石は十代、俺たちが聞きづらいことを平気で聞い
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