第二章 A's編
第四十五話 『シホの過去の話(後編)』
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大魔術を執行しようとした。
その魔術はもう私一人では止める事は不可能な代物だった。これでは町一つが滅びてしまうと焦りに駆られていた時だった。
急に周りの時間がすべて停止し、まるで頭に直に響いてくるような声が聞こえてきた」
「それってまさか…」
「そう、世界に…。世界は私にいった。『死後を対価に差し出せば人を超越した力を手にいれ人々を救う事が出来るぞ?』と。
その時の私には実に甘美な響きに聞こえた。生きた英霊になればこの事態も解決できるかもしれないと。
でも、そこでイリヤの死に際の最後の言葉で『シロウは私の分まで生きて、幸せになってね…。絶対世界と契約しちゃ駄目だよ?』という言葉が思い起こされた。
そしてエミヤの生涯も思い出して私は身を引きちぎられるような思いをしながらも世界からの誘いを断った。
その次の瞬間だった。止まっていた時間は急速に動き出して町は一瞬で跡形もなく滅びてしまい魔術師は倒したものの失ったものは大きくしばらくは立ち直れなかった」
「…イリヤさんとの約束が英霊エミヤとシホさんの道を違えたのですね」
「はい。エミヤの記憶とイリヤとの約束がなければ私もきっと世界と契約をしていたでしょう」
シホは苦渋の決断をしたんだ。
「そこで一度『正義の味方』という理想に反してしまったために想いは砕けてしまいました。
でももう私は引き返せないところまで来てしまっていた。
裏からだけではなく表からもとうとう罪を着せられて指名手配されてしまい全世界から追われる身になってしまった。
そして逃げ回る日々で代行者との戦いでなんとか撃退したけどボロボロになった体で横たわり後は死を待つような体になっていた。
そんな時に大師父、リン、世界屈指の封印指定の人形師『蒼崎橙子』が私を助けてくれた」
そしてシホはどこからか一枚の手紙を私達に見せるように取り出した。
その内容を見て私は涙を流した。
そこにはイリヤさんのシホに対しての想いが何度も書かれていた。
「私はそこでイリヤの想いを知り、もう手遅れだということも知り後悔しました。
だからもう間違わないようにイリヤの想いも魂に刻んで事実上一回死んでからイリヤの体を素体にした人形に乗り移りました。
そして大師父から『シホ・E・シュバインオーグ』という新たな名をもらい、『全てを救う正義の味方』ではなく新しく芽生えた『大切な人達を守れる正義の味方』という理想を目指す事になりました。
ちなみにセイバーの鞘ですがまたコーンウォールで発掘したって言っていました。
だけど、そこで異常が発生して私は口調、仕草、思考が変化して現在の私になり、
そして世界を越えてこの世界に来た時に世界からの修正で『魂は一生変化しない』という定義を無視して男性から女性の魂に塗り替えられてしまったんです。
そし
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