第二章 A's編
第四十五話 『シホの過去の話(後編)』
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り返していく内に失っていた記憶が蘇ってきて、『私は死んでいるのでは?』という事に思い至りこの繰り返す四日間を終わらそうとしているアヴェンジャーに対して繰り返しが終わるのを拒んだ」
「人間の生存的本能から来る行動ですね、分かります」
「次第に行動はエスカレートしていき遂には元自身のサーヴァントであったランサーと対峙した。結果はお互いの死という事になったけどランサーは俺の役目は終わりだといって消えていった」
「どうやって相打ちになったの?」
「相打ちになった理由だけどその前にバゼットは『伝承保菌者』というものを持っていた。
『伝承保菌者』とは人間でありながら神代から受け継がれてきた数少ない現存した宝具を持ちそれを作り出せる者を指す異名。
バゼットが持っていた宝具は『斬り抉る戦神の剣』。別名、逆光剣フラガラック。
その効果はカウンターに特化していて、因果を歪め、『相手よりも後から攻撃、先に命中させた』を『相手より先に攻撃した』という事実に改竄してしまう恐ろしい宝具なの。
それで一度セイバーのエクスカリバーですらも発動した瞬間にキャンセルされて殺されてしまった」
そう言ってシホは空中にそれを投影してみせた。
丸い鉄球みたいだけどこれが発動した瞬間に剣になるらしい。
これでセイバーさんのエクスカリバーがキャンセルされたなんて…。
「どんなものでもキャンセルされてしまうから必殺の一は使えないのよ。
それで話は戻すけど相打ちになったのはお互いに因果を捻じ曲げる特性を持っていたから。
ランサーのゲイ・ボルクはすでに心臓を貫いていると言う結果を残して放つ魔の槍。だからキャンセルされても心臓は貫いているわけでそれでお互いに死んでしまったのよ。
それでまた繰り返し、尚も拒むバゼットにアヴェンジャーは強引に、でも納得いく説得をしてとうとう説き伏せた。
そして四日間ではなく五日目の明日をバゼットは歩き出して夢の世界は終幕を迎えた。そして仮死状態から復活したバゼットは再び私達の前に姿を現したの。
……………ここまできて何もなければ後はハッピーエンドで終われたんだろうけどね」
そこでシホが憂鬱気な表情をしだす。
なにかあったんだろうか?
「アヴェンジャーのツケが回ってきたの。繰り返してきた記憶で得た知識、経験、見た宝具…そのすべてが私に引き継がれて濁流のように一気に押し寄せてきた。
結果は見る目もなくフィードバックのせいで一ヶ月間立ち上がるどころか手足すら動かす事もままならない闘病生活という事態にまで及んだわ」
『うわぁ…』
それで私達は多分とても複雑な表情になっているだろう。
得た対価を考えればかなりのものだけど、一方的な押し付けみたいな感じでシホはそれを味わっ
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