18話「名も無き町のギルド」
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翌日、2人はポルスと交易都市シシームの間にある小さな町についた。森の中でやや開かれた平地にあるこぢんまりとした町だ。
「とりあえず食料の補充と、あと、グレイウルフの素材を売りましょ」
「はいよ」
ギルドはポルスよりも小さかった。むしろ、ぱっと見ではただの一軒家だ。人伝に聞かないと、また家の前の看板がないと、まず分からないだろう。
扉をくぐると、ちょうどカウンターからローブをすっぽりとかぶった冒険者とすれ違った。濃い茶色のローブで、中が男性か女性かすらわからない長い裾だ。ちらりと覗いた前髪は、薄めの浅葱色だった。
(この魔力は…)
「ようこそ、冒険者ギルドへ!」
思考が傾いたとき、笑顔の可愛い受付嬢が出迎える。流れのまま鑑定を依頼すると、グレイウルフの毛皮はここまで綺麗に断たれたものは滅多にないと誉められた。
「血も綺麗に洗ってあるし、これ15枚で7500リールで買い取らせていただきますね。牙の方は…んー、これとこれ、あとこの3つはヒビが入っているので、除外させていただきます。で、牙が…1350リールなので計8850リールです」
毛皮1枚500リールとは、グレイウルフの毛皮としてはとても高額らしい。
アシュレイとユーゼリアは事前に、これから報酬は自分が狩った分のものを貰うと決めていたので、迷うことなくそれぞれの分け前をギルドカードに入れた。
「じゃ、何かめぼしい依頼がないか、見てみましょうか」
「2人で一緒のにするのか?」
「ううん、アッシュには今度は採取に行ってほしいの。冒険者として、いつ何時どの薬草が必要になるか分からないから、その練習。私はその間、町で食料調達をしてくるわ」
「……なるほど、分かった」
少しの間顎に手を当て考え、アシュレイは了承の意を述べた。ユーゼリアをひとりにしていいかどうか、悩んだのだろう。
「んじゃ…どれにしようかな。このバルバズのはちみつとかは?」
「いいんじゃないかしら。バルバズは何かは…わからないわね。その名の通り、バルという木に好んで巣をつくる巨大な蜂よ。体長は大体1メートルで、尾にある鋭い針からは麻痺毒が出されるの。刺さったら3分後にはもう動けなくなってるわ。それにDクラスの魔物にしては動きも素早いから、冒険者たちの最初の難敵ってところかしら。ま、一撃必殺の武器は持ってないから、滅多なことじゃ死にはしないわ」
「ふむふむ。つまり、避けろってことだろ。じゃ、これでいいや。場所もヘスティだし。来た道をちょっと戻ればいいんだな?」
溜まるギルドポイントは50。手にギルドから支給された規定量の瓶をぶら下げて、意気揚々とユーゼリアに別れを告げた。
散歩に行くかのよ
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