第二章「クルセイド編」
第二十六話「百万年に一人の可能性」
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まらず、
寧ろ。
リオンの放った黒い斬撃の方が打ち消されてしまう。
「……は?」
流石のリオンも一瞬唖然となった。
(おかしい。どうにも不可解だ。周りに出している被害から見るに今のは此方の方が威力は上だった筈だぞ)
何かある。あの圧倒的なパワーと今の斬撃の拡散。リオンは漸くこのレン=トータスと言う男の謎に一歩近づいた気がした。最初から不自然ではあった。あの痩せた体では魔力の強化をしてもこれほどの破壊力をたたき出すことはできない筈。とすれば
(それを可能にする何かのトリックがある?)
「つーかさ」
そんなリオンの思考をさえぎるようにレン=トータスは口を開いた。
「さっきから思ってんだけど魔法使ってないよな? 魔力を感じねえんだけど。何? どう言う手品?」
「教えてやる義理はない」
「あ、そぉ。まいいや。どうせぶち殺すの確定な相手だし。死人に口はねぇもんな」
「ほざいてろ。死ぬのは貴様だ」
とは言え簡単に勝てる、などとリオンも楽観視はしていない。
自分の放った攻撃の事如くが打ち消され、それでいて相手の放ってくる攻撃は一撃必殺で更に変幻自在。
何か『種』が有る。と言う事がわかっていたとしてもそれが分からないのであれば対抗策がたてようもない。解けない問題に直面して何かトリックが有ると思う事など小学生でもできるのだから。
「あ、でも。コレだけは聞いとかなきゃいけねえんだった。お坊ちゃん、エレギオ・ツァーライトは知ってるよな?」
「……何?」
「そんな身構えなくても良いってことよぉ。
俺はあのクソ野郎を無残に惨たらしくぶち殺してくれって頼まれててなあ」
「成る程、貴様殺し屋か」
一目で分かっていたがこの男はどう考えても堅気の人間ではない。リオンもその雰囲気はよく知っている。エレギオも次元世界最高峰の犯罪者だし、彼を殺してくれと誰かが依頼するのも分かる。リオンは頭を振った。
「頭が足りないと見える。エレギオ・ツァーライトの希少技能は貴様も知っているだろう」
「ん? ああ、『天上眼』だっけ。万物を見通す神の目だっけかぁ。
それがどうしたって言うんでぇ?」
「貴様がどうエレギオ・ツァーライトを追おうとしても貴様は奴の眼に映る。
どう貴様が足掻こうと奴は先手を打って貴様から逃れられるという事だ。
誰から情報を得ようが貴様がそれを有効活用できるとは思えないがな。
まあ僕は戦った事がないから詳しくは知らないが」
「やれやれ、言ってくれたら見逃してやろうって思ったのに。交渉は決裂か」
「誰も貴様と交渉などしていない。勘違い
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