第二章「クルセイド編」
第二十六話「百万年に一人の可能性」
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地属性の晶力が一気に床へと行き渡り、整頓された船の床を歪な大地へ変貌させていく。質量にして1tにもなろう暴力の嵐が船内を駆け巡り男を呑んだ。さらには石の礫の波をも起こし過剰殺戮どころでは済まない、瞬殺確殺必殺そんな『殺し』を司るありとあらゆる言葉を尽くしてもこの攻撃は表現できそうに無い。端的に言えばこの攻撃だけで常人は百回死ぬ。百回、殺せる。それ程の破壊の権化。
「油断と言うのは危険な感情だ」
破壊の嵐が収まりそのなかでリオンはただ呟く。
男のいた場所は地の槍が、礫が、何層にも何層にも重なって。それは到底人が生きているとは思えない光景。男の体がどうなったのか、確認する気にもならなかったリオンは瓦礫の山に背を向けた。
立ち去ろうとした。
「ああ……同意してやる」
そう、立ち去る事はできなかった。
「なにっ!?」
殺したはずの男はロッドを振り上げ今まさにリオンの頭を粉砕しようとしていた。
それを何とか回避してジャンプ。ロッドは先程の攻撃で変質した床の盛り上がった部分に直撃した。まるで年度に突き刺すようにぐさりとロッドが刺さる。
「油断ってのは危険だ。特に勝ったって思った時が一番あぶねぇ」
「貴様、一体どうやって」
「さあなあ」
レン=トータスは刺さったロッドを力任せに抜き首を数度ゴキュゴキュと鳴らす。その様子にはダメージを負った様子すら見受けられない。若干服が破けたりはしているが……その程度だ。有り得ない、とリオンは思う。今のは殺した攻撃のはずだった。だが男は五体満足で尚も立っている。
「自分の頭で考えて見やがれよ。お坊ちゃん!!」
そしてまた。ロッドがブォン!! と暴力的な唸りを挙げ横薙ぎに一閃される。その威力は見ただけで先程までの破壊力を凌駕していた。とても防げるものではないと判断したリオンは剣に圧倒的な闇の晶力をあつめる。シャルティエが凝縮された晶力に妖しく光り、リオンも裂帛の気合と共に剣を振り抜いた。
「浄波、滅焼闇!!」
爆裂する闇の炎を纏う圧倒的なまでに巨大な斬撃。これがリオンの奥義。
決して、決してフェイト達の前では見せもしなかった正真正銘の本気の一撃。仇なす者に立つ事さえ許さぬ必殺。魔法の技術で強化されたダイヤモンドよりも固い合金で作られた次元船の壁等切るまでも無く纏う闇の炎のオーラが跡形も無く溶かしてしまう。
「闇の炎に抱かれて……消えろ!!」
この世ならぬ力、晶力を限界まで圧縮し篭めたリオンの切り札の一枚。虚無の劫火は全てを滅却し跡形も無く消し去る。
だがそんな一撃をを持ってしても男のロッドの暴力は収
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