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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十六話「百万年に一人の可能性」
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えてしまえるほどの威力を秘めている。実際、リオンは何とかその一撃を回避したがリオンの丁度後ろの壁は轟音を轟かせ滅茶苦茶に破壊されていた。

「馬鹿力め。だが当たらなければどうと言うことはない!」

口ではそう言いながらもリオンは内心冷や汗をかいていた。家を一瞬で木っ端微塵にしてしまう様な一撃。人がマトモに受ければそれはそれはグロテスクな肉塊になってしまうだろう。しかしその一方で内心リオンは首を傾げた。

一体どう言うカラクリであんな有りえないパワーを発揮している?

なにせ男の痩せた体にはあれ程の破壊力を実現できるような筋肉は何処にも見当たらない。勿論魔法である程度は強化できるだろうが人体強化魔法と言うのはかなりシビアな限度が存在するとエレギオから教わっていたがもしかすると例外でもあるのだろうか。
とは言えそんなことを長々と考える余裕など到底無い相手だと言うのもリオンは感じていた。間違いなくこのレン=トータスと言う男はリオンがこの世界に来て以来最強の敵である。シャルティエの口数も何時に無く少ないのは彼も緊張しているからだろうか。

(この男相手に……手加減はしない!)

ポタリと汗が落ちる音が響いた。それはリオンの物か、それともリオンが薙ぎ倒した管理局員のだれかの物だろうか。
だがいずれにせよ。
その音と共に死闘は開幕した。

「ッッツァアア!!」

管理局員達を倒した時のとは違う、リオン・マグナスの本物の闘気。地面を蹴って、紛い物ではない本物の音速を叩き出す。圧倒的なスピードに空気も攪拌(かくはん)され、衝撃波が粉塵を巻き起こす。男のロッドも尚早く、風力発電所のプロペラのように唸りを上げて回転した。リオンの体を文字通り粉砕するべく薙ぎ払われる。あたる直前で見切りをつけたリオンは速度そのままに空中へ飛び上がった。ロケット砲の様な勢いで飛び上がったリオンはあわや天上に衝突と言ったところで急激に体を反転させ天上を蹴って風の唸りと共に男に襲いかかった。狙うは男の首筋。非殺傷設定と言えど、強い衝撃で期間を圧迫し窒息させて人を殺せる一撃。男はロッドを振り抜いた直後。避ける事はできない。リオンの勝ちは確定し――

(マズイ!)

咄嗟にリオンの本能が防御しろと叫びを上げた。あれほどの一撃を前に、されど男は笑っていた。ロッドは降りぬいて先程の大車輪の様な一撃をもう一度繰り出すのはどう考えても不可能だと言うのに。だがリオンの本能がそれでも防御しろと叫んだ。何かとてつもなく嫌な予感がする。だが

どうやって防御しろと言うんだ(、、、、、、、、、、、、、、)!?)

男の武器であるロッドは振りぬかれている。かと言って魔力が見えるわけでもない。魔力弾発射のためのスフィアは尚の事。|本当に男には攻撃する手段が無いはずなのだ
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