第二章「クルセイド編」
第二十六話「百万年に一人の可能性」
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たライフル『ドラゴンソウル』を担いだ。バリアジャケットも支援用の物から一瞬で戦闘用の物に切り替わる。
「ちょっと乗り込んでくる」
「オイ何があったんだよ? お前がここに居なきゃ後方支援が成立しねえだろうが」
「んな事言ってる場合じゃな無くなっちまったんだよ」
「だから何があったんだよ?」
「悪いが時間がねえ。後でキチンと教えてやる」
「あ、オイ! ちょっと待てって!」
そうこうしている間に転移魔法を組み上げていたらしい。エレギオを尚も問い詰めようとしていたジャックを残してエレギオは忽然とドラギオン船内から姿を消した。
−−−−−−−−
ガキィイッ!! とそんな音を響かせながらリオンは背後からの攻撃をシャルティエで受け止めた。
異界の最高峰の技術で作られた剣、ソーディアン。ダイヤモンド並みの硬度を誇るその刀身とリオンの技量をもってしてもその一撃の勢いを完全に殺す事はできず大きく後ろに跳んだ。それほどに凄まじい一撃だったのである。
「おっとぉ。今のを受け止めるかぁー。お宅結構やるねぇー」
底なし沼の様な声だった。底知れない狂気と殺意を滲ませながら、それでいて覗き込んでも形すら見ない。そんな声。
背の高い男だった。それでいて恐ろしく痩せている。後ろで束ねた真っ白くて長い髪にルビーの様な紅い眼。いっそ女性的とさえ言える容貌をしていた。だがその姿に弱々しさと言う言葉は無縁である。寧ろ滲み溢れる狂気も合わさって不気味さを増している。ハッキリ言ってこの男から流れる気配が既に血に塗れていた。
「貴様、何者だ」
「んー? 人に名前を聞く時は先に自分から名乗るって学校で先生に教わらなかったかね?
ま、オジサンは優しいから特別に名乗ってあげよう」
男の右手に握るロッドが水車のように一回転。先の一撃はアレによるものだろう。
「レン=トータス……この船襲撃の『先客』って言った方がわかりやすいかねぇ」
ガタン! とその音がリオンの耳に届くのとほぼ同時。流星の様な勢いでレン=トータスと名乗った男のロッドが一閃した。ビュオン!! と言う空気の悲鳴が木霊する。あのロッドの一撃にどれ程の暴力性が秘められているかなど想像したくもない。勿論男の武器はロッドで剣ではない。そしてロッドを含めた打撃による攻撃を行なう武器は剣よりは殺傷能力が低いように一見思える。と言うのも日常生活においては包丁の様な刃物で怪我をする事はあっても物干し竿の様な長い棒で怪我をする事など殆ど無いからだ。だがそれは日常生活においての話。非日常を歩んで来たリオンにはわかる。あれほどの勢いと重さが加わればただの棒も立派な兵器だ。あの男が振るうロッドは、おそらくたった一撃でレンガの家を無慈悲にスクラップに変
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