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第一章 大戦期
第九話
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」
「なぜそうおもうのかな?」
「まずなにをするにしても他の二勢力がどう動くか、ということが念頭におかれていることですかね」
「確かに、他の二勢力がどう動くかに考えがいって大胆な政策はうちだせなかったからね」
「その結果少しずつストレスが溜まり爆発する」
「ふむ、残りの魔王たちも今回の戦争が起こらなかったとしても最低で百年以内に起こるという考えだったからね。君の考えは正しいよ。では、今我々魔王が頭を悩ませているこの戦争の最大の問題はなにかな?」
今おこっている戦争の問題はたくさんあるだろう。その中で、最大の問題か……。
「戦争の最大の問題…………もしかして戦争の終結方法、ですか?」
「正解だ。今一番の問題でね、起こってしまった戦争をどう終結させるかが難しいんだ」
「なし崩し的に始まった戦争ですからねぇ〜。そりゃ難しいわ」
「なにか決定的なことがあればいいんだけど……」
「決定的?」
「例えば私たちが死ぬとか」
「不吉なこと言わないでくださいよ。冗談になってませんよそれ」
「そうだね、ゴメンよ。ところで鏡夜君、君は人間を悪魔にする魔術をしってるかね?」
「唐突すぎる話の方向転換ですね。人間を悪魔に、ですか。初耳です」
「そうなの? 君のお母上もその魔術を使って悪魔になったのに?」
「え? そんなこと聞いてないんだけど……」
「あらら、まぁその名の通り人間を悪魔にする魔術でね、主に悪魔と人間が結婚する時に使われるんだよ。人間と悪魔の寿命差は大きすぎるからね。今から二百年くらい前にある上級悪魔が作ったんだ」
「そんなのがあったんですか、知らなかった」
人間を悪魔にする魔術……、その魔術が悪魔の駒の土台になるのだろうか。
その後一時間ほどマオー様と駄弁り続けた。
「そろそろ店員さんの視線が痛いな、マオー様」
「うん、そろそろ出ようか」
「マオー様、お会計お願いします」
「そうだった……」
「ありがとうございましたー」
「凄くいい顔で見送られましたね。マオー様」
「お財布が軽い…………」
「このあとどうするんですか?」
「そろそろ公務抜け出したのがバレるころだし、戻らせてもらうよ」
まさかこのマオー様、さぼりだったのか。
「仕事しろよ」
「ねぇ、鏡夜君」
「なんだ、マオー様」
「この戦争が終わったら良くも悪くも冥界は変わる。そのとき冥界を率いていくのは君たちだと私は思うよ」
「マオー様……」
「それではまた会おう!! 鏡夜・N・ハルファス君」
そういってマオー様は去って行った。
(マオー様ねぇ、なんか想像とちがったなぁ〜。しかし、魔王というのはプライベートは軽いのが条件なのか?)
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