第二章 A's編
第四十四話 『シホの過去の話(中編)』
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私達に緊張が走る。
いない筈のサーヴァント。
サーヴァントを失ったシホ達には恐怖の対象に映ったと思う。
「そいつは空間を歪めてそこから無数に武器を放出し、一つ、また一つとバーサーカーの命を刈り取っていった。
解析を使って分かった事だけどそいつの放つ武器はどれも贋作ではなく本物だった。
そんなサーヴァントがいるのかと思ったがそこで慎二がまだ私達がいる事に気づいていなかったのか上機嫌に正体を明かしてくれた。
そいつの正体は『英雄王ギルガメッシュ』だとね。
それを聞いて見ていることしかできないでいたイリヤは酷く震えて泣き出していた。私は、そんなイリヤを見捨てることが出来ずにリンの静止を振り切ってイリヤの元へ駆けていった。
理性より感情が上回っていたんだと思う。自分の死よりイリヤが殺されしまうと考えたらもう形振り構っていられなかった」
「それは…あまりにも無謀だ。サーヴァントがいないのに突っ込むなんて命知らずにも程がある」
「もう驚きませんが…シホさんは…危ういですね」
「それはもう先刻承知のことです。でも今はこの体だから自身の命も大切にしようという考えになっているんです」
「そうですか…」
リンディ提督はそれで何度目の安堵の息を吐いていた。
「それで話は元に戻りますが、バーサーカーは私達を守るように盾になってくれた。本来バーサーカーには主を守ろうとする意思さえないと言うのに…。
でも最後はギルガメッシュの神性が高ければ高いほど拘束する力が強くなる『天の鎖』でバーサーカーを拘束し滅多指しにして、消滅寸前のバーサーカー…。
でも、バーサーカーというクラスは消滅の間際に正気を取り戻す事が出来るんです。
バーサーカーは私に向かってこう言った。『お前が私の変わりに守れ…!』と…そして完全に消滅した」
「使い魔の鑑だねぇ…ヘラクレスは」
アルフが涙を浮かべながらそう言った。
確かにそう考えるとなぜか私も胸が熱くなってくる。
でも…天の鎖ってギルガメッシュの武器だったんだね。前に壊した時にあまり有名なものではありませんようにと願ったけど見事期待を裏切られたね。内心で私は地面に腕をついていた。
でも、そんな私の内情など気にせずユーノが、
「でも、それでも絶望的状況は変わらないんでしょ? どうやって逃げ切ったの?」
「…うん。そこで初めて私の投影魔術が役に立ったといえばいいのかな。ギルガメッシュが放ってきた武器を即座に解析して何度も打ち返した。
どうせ死にゲームだと分かっていたんだから魔術回路が焼ききれてもいい。イリヤを守りながらそんな思いで何度も投影した剣をぶつけた。
ギルガメッシュも面白い遊びを見つけたような表情になりしばらくして、『面白いぞ、贋作者。しばし聖杯を預けようではないか』と言って
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