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八条学園怪異譚
第二十話 プールの妖怪その十二
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妖怪さんが」
「あそこには垢舐めが出る」
 日下部はその妖怪が出ると答える。
「あの妖怪がな」
「垢舐めっていうと確か」
 聖花はその名前を聞いてすぐに言った。
「あれですよね。お風呂場にいてその汚れを舐め取る」
「そうした妖怪だ」
「それがシャワールームに出るんですね」
「その通りだ」
「ううん、そうだったんですか」
 聖花は日下部からその話を聞いて頷く、そしてだった。
 そのシャワールームがある更衣室のところから赤い身体に黒のおかっぱ、童顔で裸の子供が出て来た。手は人間のもので足は指がなく先が上に反り返った爪になっている。
 舌は異様に長く腹のところまで下がっている、その妖怪が出て来て言って来た。
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