第一幕その一
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りであった。
「もうすぐ帰って来るわよ」
「嘘よ」
だがサントゥッツァはそれを否定した。
「それは嘘よ、絶対に」
「どうしてそう言えるの?」
「だって聞いたから。真夜中にあの人を見たって」
「えっ!?」
それを聞いてルチーアも思わず声をあげた。
「それは本当なの!?」
「ええ。アントニアさんから。間違いないわ」
「アントニアが。じゃあ嘘ではないわね」
アントニアはこの村の老婆である。正直者で有名である。
「何でかしら」
「私不安なの」
サントゥッツァの顔がさらに暗くなった。
「よくない予感がするわ」
「サンタ、まあ落ち着いて」
ルチーアはそんな彼女に温かい声をかける。
「私の家にいらっしゃい。お酒でも飲んで落ち着いて」
「御免なさい」
だが彼女はその申し出は首を横に振って拒んだ。
「私は・・・・・・破門されているから」
「そうなの」
それでも彼女はサントゥッツァを慰めようとする。そこにまた人々がやって来た。
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