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ヘタリア大帝国
TURN58 USJ決戦その十
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を進めるからね」
 アメリカ兄妹は必死の顔でドワイトに返した。
「今は頼んだぞ」
「あたし達は軍の主力を撤退させるわ」
「ああ、頼んだからな」
 ドワイトの余裕は彼の祖国達に対しても変わらない。
「それじゃあな」
「健闘を祈るぞ」
「それじゃあね」
 アメリカ達は軍の主力を率いて撤退にかかる、そしてキャロルもまた。
 前線から姿を消す、ダメージを受けた艦艇から戦場を離脱しそして無事な艦艇もまた戦場から姿を消していく。
 最後にドワイトの乗艦であるモンタナも戦場から離脱しようとする、だが。
 反転しようとしたその瞬間に太平洋軍のミサイルを受けた、それでだった。
 航行不能になる、ドワイトはその艦橋で苦笑いをして言った。
「おいおい、最後の最後でだな」
「どうされますか?」
「どうするもこうなったらどうしようもないだろ」
 こう問うてきた部下に返す。
「観念するしかないだろ」
「それでは」
「もう動ける奴は全員戦場から離脱したからな」
 動けない艦艇は全て太平世軍に拿捕され将兵達は捕虜になっている、だが動ける者は全て離脱できている。
 ドワイトはこの状況に満足しこう言うのだった。
「それならいいさ。やれることはやった」
「そうですね。それでは」
「降伏勧告が来たらな」
 太平洋側からのそれがだというのだ。
「受けるぞ、いいな」
「わかりました、それでは」
 部下はドワイトの言葉に頭を下げる、かくしてだった。
 彼は太平洋軍の降伏勧告を受けて降った。こうしてUSJでの戦いは終わった。
 ガメリカ軍は事実上の決戦に満を持した戦力で向かいそのうえで敗れた、彼等にとってはまさかの敗北だったが事実は変わらない。この決戦で太平洋での戦いは決した、誰もがそう思った。


TURN58   完


                  2012・10・9
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