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裏生徒会と正しい使い方
第3話 袋の鼠がアルマジロ
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そう判断した少女は大和の元に駆け寄った。
もう放送は終了している為急ぐ必要も無いが、態々時間をかける道理も無い。
少女は両手でドアノブを掴んだ。
「っ!ちょっ!」
「手伝います。せーので引くよ」
放送室の中からはガチャガチャという、椅子か何かを動かすような音がしていた。
 「せぇー、のっ!」
 ビリリリィ!
 内側から接着されていたらしいドアは、しかし今や大方剥がれかかり扉も半分程開いていた。
 テープのせいでよく見えないが、 扉の隙間から3人の人影が見える。
 少女はテープを掻き分けて中に入った。
 「おや、現実がやって来た」
 放送席の中心で座っていた少年が椅子を回してこちらを向いた。声からして、彼が盗浦 峰年だろうか。
 少女が何かを言おうとする前に、後ろから教師達がずらずらと放送室に押し入った。
 「待った」
 峰年は制すように手を広げた。
 「こんな互いに慣れない場所ではなく、話ならあなた方のホームである職員室でしよう」
 峰年がそう言うと峰年達3人は立ち上がった。
 そしてそのまま、淡々と放送室を出る。
 「…」
 少女は少し考えた後、放送席に座った。
 そして放送開始を告げるチャイムを鳴らすとマイクのスイッチをオンにした。
 「生徒会会長の凌霄(ノウゼン) (カズラ)です。…先程の放送で生徒の皆さんを困惑させたことを、お詫びいたします。…先程の放送に関わった人達には、それ相応の罰が下されます。から、生徒の皆さんも、清廉な文化人として相応しい行動を崩さないよう心がけてください。これで放送を終わります」
 心の中で微妙な点数を与えながら、少女は放送を終えた。
 
 
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