第3話 袋の鼠がアルマジロ
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なオブジェ位にしかならない。よって、人員を募集することにした』
(人集め…)
少女は目の前に人だかりを見つけた。
放送室のすぐ傍で、教師の大声がする。
「だから、下らないことはやめて早くここを通して下さい!」
「何を言っているんですか!一大事ですよ!」
『主な活動内容は未定。但し、今やってる類いのことは以後滅多にやらないことが予想される。今回は例外的な行動を取っただけで、テロリズムに憧れているだけなら裏生徒会に入ることは推奨しない。というよりそもそもこれはテロとは言い難い。』
「だから、それをどう見たらそれが事件になるんですか!」
少女が教師陣の人混みを掻き分けて進むと、目の前の光景の理解に少し時間を要した。
『KEEP OUT』と書かれたビニールテープが行く手を塞ぐように貼られているがその前では人型のマネキンの胸の辺りに赤い絵の具が垂らされ、白衣を着た40代位の男がそのマネキンを抱え上げながら「大丈夫ですか!」と叫んでいた。さながら殺害現場のようだ。
『我々の目指す所は、穏やかな楽しさ。安定した現段階の楽しさ。しかしそれに向けた努力を重点的にするということはない』
「はい、部外者は帰って帰って」
スーツをきっちり着こんだ若い男がビニールテープの向こう側から手で追い払うようにした。
「あなた達、いい加減にしないと、警察を呼びますよ!」
教師の1人が叫んだ。
「我々は悪太郎(ワルタロウ)の無念を晴らすという使命がある!それは誰にも曲げられない!」
『私は努力というものがどうにも苦手でね。努力によって得るものがあると自分を騙し騙し使っていくこともあるが、喜んで自分をそんな風に使うことはまずないと言っていいだろう』
「…」
このままでは時間がかかりすぎる。
(仕方無い…)
「…先生、後ろに行ってから、鍵貸して下さい」
少女は鍵を持っていた教師に、そちらの方を向かずに囁いた。
「…分かった」
少女はその声を聞くと後ろに退いた。
「…」
教師は少女に放送室の鍵を渡した。
『ではそろそろ、本題に入ろうか』
少女は鍵を持っていた教師がまた前に行くのを見ながらタイミングを図っていた。
その教師を通じて、少女が駆け出す通路を空けるよう頼んでおいた。
『話は簡単だ、明日の朝7時30分から8時10分までに、こちらが指定する3つの場所の内いずれかに来てもらいたい』
人混みが左右に波打つ。やや態とらしいが、流石に仕方無い。
少女の目の前の人混みが2つに分かれた。
(今っ!)
少女は誰とも
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