第3話 袋の鼠がアルマジロ
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冷静に言った。
「しかし、君が愉快な仲間達を率いていることは秘密ではなかったのか?」
「大丈夫だよ」
仙翁は微笑んだ。
「流石に人命優先だし、野茂瀬さんが呼んだことにすればいいから」
「…成る程、そういえばその為の野茂瀬だったな」
「…野茂瀬って、野茂瀬 仁梨佳のことですか?」
葉蓮が急に口を開いた。
「あ、うん。…そういえば、凌霄さんと同じクラスだったね」
「はい」
葉蓮は頷いた。
「そうだったね…」
そして葉蓮の話はフェードアウトしていった。
その沈黙の中、バイブ音がした。
「…もしもし、この携帯電話の持ち主の方だが」
峰年が電話に出た。
『峰年さん、首尾が整いました』
40代位の男の声。
「有り難う。…では、共に楽しい時を過ごそう」
『ええ、』
峰年は通話を切った。
「さてと、待たせたな諸君」
峰年は徐に仙翁と葉蓮を見た。
「…」
そう言われても、2人共特に返す言葉は無い。
「無邪気に邪な計画の…幕開けだ!」
峰年は放送の為のスイッチを入れた。
教室の上部から、サァァアァア…という、機械特有の音がする。
教室にある物でそんな音をたてるのは限られる。さらに、テレビはそもそもスイッチが入っていない。
そうなれば…
『七弓(シチユミ)中学、高校の生徒並びに教師陣並びに保護者並びに元気なお友達諸君。こんにちは、盗浦 峰年だ』
少女は不信感を強めた。放送部の活動の再開の認可が降りたという話を聞いたことは無いし、なにより放送部が言いそうな台詞ではない。
『皆さんが思っている通り、私は不審者だ。但し、歴とした七弓高生だ』
少女は放送を聞きながら教室を出た。
『私はここに宣誓しに来た、裏生徒会を結成するつもりであることを』
(裏生徒会…?)
少女はその言葉に聞き覚えは無かった。
『私はここに宣言しに来た、我々裏生徒会初期メンバーは、健全かつ優良な生徒会シップを乗っ取り、平淡かつ微妙な組織を造り上げることを』
(何の為にこの宣誓を…?)
少女はとにかく、放送室へ急いだ。
取り敢えずこの事態を一刻も早く収束させなければ学校全体の後の風紀に支障が出かねない。
『しかし裏生徒会には、足りないものがいくつかある。予算人望知名度説得力物事を客観視する態度等枚挙に暇は無いが、なにより人員が足りない。ゼンマイの巻かれていない人形もオブジェ位にはなるが、ゼンマイだけあっても新進気鋭
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