16話「ユリィの常識講座@“フリークエスト”」
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ど、殆どの魔物の素材はギルドが買い取ってくれるの。ま、グレイウルフなんかはどれも大した額にはならないだろうけど。弱いし」
「なるほど」
川で地を洗い流してから、バッグにまた放り込む。
その後も他愛ない話をしながら食事を終え、道に戻って森を進んだ。
「……そろそろ暗くなってきたわね。もう少し進んだところにキャンプ地があるから、そこまでいきましょ」
「キャンプ地?」
「1日じゃ抜けられないような森とかには大抵あるの。といっても、そんな大層なものじゃなくて、ちょっと見晴らしがいいように木とかが伐採されてるだけなんだけど」
「へえ」
言われるまま歩き続けると、突然広場のようなスペースに出た。確かにここの方が魔物への警戒がし易いだろう。
他に今日キャンプ地で泊まる旅人はいないようなので、円形に整えられたそこの中心に火を熾した。火の番は交代で行う。
「じゃ、この水時計が10回ひっくり返ったら交代ね。お先に、おやすみー」
「おやすみ。いい夢を」
「……あ、ありがとう」
狼狽しながら毛布にくるまって横になったユーゼリアと、焚火を挟んで座った。足元にはポタポタと中でゆっくり水が垂れている水時計がある。
なんともなしにそれを眺めながら、天を見上げた。ここだけ木が周りにないので、星が驚く程たくさん見える。多分、焚火を消したらもっと沢山あるのだろう。
「はぁ……」
ゆっくりと、息を吐いた。
見上げた天は、1000年前とまったく変わらずに瞬いていた。
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