SAO編
episode2 巨大ギルドと風来坊
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「……なるほど、ねぇ」
俺は深く溜め息ををついた。
今俺がいる場所は、アインクラッド基部フロア…第一層『始まりの町』中央に位置する、『黒鉄宮』。アインクラッドでも有数の規模の豪華な建造物だが、今現在立ち入るプレイヤーは極々限られて
いる。理由は簡単。ここが今現在、ギルドメンバーが千人を軽く超える最大規模のギルド、かの有名な『軍』の本部だからだ。
そして今現在俺がいるのは、そんな超超巨大ギルド様の、その本部の、さらに長たる男の執務室だ。本来俺のような風来坊が、とても立ち入れる場所では無い。だが、今回は特別だ。なにせ俺は今、お
客様としてここに招かれている立場なのだから。
「なんとか、お願いできませんか? シド君」
「私からもお願いします。なんとか、なりませんか?」
「うーん、そうは言ってもねえ…」
本部にいる人間は、現在三人。一人は当然俺、シド。さすがに今日ぐらいはきちんと身なりを整えるべきだったかなあ、とは思ったものの、結局いつものぼさぼさ頭に寝惚け眼だ。習慣って怖いな。
そして残りの二人はなんと、この『軍』の最高責任者とその側近なのだ。背の高く、きりりと整った顔の女性は、側近であるユリエールさん。『軍』のユニフォームである戦闘服を格好良く着こなし、腰
には革製の鞭。おそらくプライベートではさぞかしあの鞭に憧れを抱いた豚共…ではなく、おかしな野郎共が絶えないことだろう。
もう一人の方の少々太めのにこやかな男は、シンカー。まあ、ユリエールさんに比べれば迫力の無さが否めないが、侮ってはいけない。これでも『軍』のトップ。見かけの人の良さに加えて、前線で戦えるだけの戦闘力もちゃんと持ち合わせている。
そんな二人が、揃って俺なんかに向かって、頭を下げている。
理由は簡単。『軍』の現状が、極めて切迫したものであるからだ。
現在の最前線二十七層の、二層前。あれは天災の類だ、と俺は思うのだが、前層のボスとは比べ物にならないほど巨大で強力な、二十五層の双頭の巨人ボスの猛攻によって『軍』の精鋭が根こそぎやられてしまったのだ。そのために今まで先頭に立って続けてきた前線の攻略に関わることが出来なくなってしまい、さらにその恐怖心によって既に中層フロアでの狩りすら覚束なくなりつつあるのだ。
『軍』の抱える人数は、桁違いに多い。その全員を養っていこうと思えば、最低でも中層フロアでの狩りは必須となる。それも、相応の人数を揃えて専門チームを形成してやっと、といったところだ。なのにそのメンツが今、揃わなくなりつつある。
そして話は戻ってくる。
「だからって、そんな急に、「ミスリル素材が入手できるクエストは知らないか」って言われたってなあ…」
『軍』の狩りパーティー全員に、
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