SAO編
episode1 スピード&パワー3
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戦闘は、十五分も掛からずに終わった。
(…いや、十五分ってなあ…)
俺としては中ボスクラス相手の単独戦闘には一時間位を予定していたが、キリトがいたおかげで遥かに速く片付いた。回復結晶も、予定の半分も使っていない。言えば「じゃあその分金よこせよ」とか言われそうだから言わんが。まあ、ドロップ品分くらいの働きは十二分にしてくれただろう。そんなことを思いながら、ボスの爆散したポリゴン片の中、ウィンドウを開く。
「ないな。そっちは?」
「あった」
「ホントか!?」
俺の新規入手のストレージの一番上には、見慣れない名前のアイテム。ドロップアイテムだ。名前は《ジェネラルブレード》。ちなみにこの段階で既に、俺にはいやーな予感が背筋に走っていた。完全に俺の経験論になるが、剣の名前に関して言えば「ソード」なら片手剣が多い。そして「ブレード」なら…両手剣。
やべぇ。
と、とりあえずオブジェクト化しよう、もしかしたら《アニールブレード》みたいに例外的なのがあるかもしれんし! ウィンドウからオブジェクト化すると、その剣は俺の背中に収まった。装備アイコンは、両手。
ああー。
露骨に顔に出た。いや、背中に収まった段階でキリトにも分かっていたのだろう、その顔はどことなく残念そうだ。まあ一応鑑定するべくその長剣を抜き放……てなかった。
「うおっ重っ!!!」
「おい大丈夫か!?」
あわててキリトが支えてくれたおかげで、何とか落として足に突き刺さるのだけは避けられた。とりあえず地面に置いて指でクリックして、『鑑定』スキルを発動する。…と。
「うお、要求筋力高っ。っていうか威力がすげえな、リーチだけじゃないのか。…おお!これすごいぞ!『十分に筋力要求値が高ければ片手剣としても装備可能』だってよ!」
「ホントか!?」
「ウソ!」
「てんめえええええええええっ!!!」
「冗談冗談ほんとに装備片手でできるって、ぁ痛ってぇ!!!」
ふざけたらぶん殴られた。とりあえず本当だったのでキリトに報酬がわりに手渡しでそれを渡してやる。一瞬「重っ」といったものの気に入ったようで、満足げに右手でぶんぶんと振り回す。それにしてもとんでもない筋力値だな。俺なら振るのはおろか持つことすら出来んぞ。
キリトはそれで満足してくれたらしく、上の階で手に入れた宝物をNPCに返した際手に入った、スキルスロットのボーナスという激レアアイテムは俺に譲ってくれた。正直にその効果を話したら、いくらキリトとはいえ待ったをかけたかも知れんが。
◆
後日談。
その層のボス攻略のMVPは、革製コートを装備した盾なしの片手剣士だったらしい。両手剣と見間違うほどの武骨で巨大な長剣を携えて、その
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