6.決着 〜嵐の予兆〜
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「いや、別に情けなんざ掛けるつもりは露ほどもねぇよ。ただ、もう必要無くなったわけだ…」
そう言って持っていた槍を展開する。フン、そんな離れた所からなにをやるかは知りませんけどそんな所からじゃ当たりませんわ!!
仮にも代表候補生。おおよその距離50m以上も離れたこの距離だったら、あんな化物じみた反射神経を持っていない私でも十分避けれる。後はその体制を崩した所に一斉射撃で終わりですわ!
怒りで普段の冷静さを欠いていたセシリアは故に気付かない。至近距離で戦闘を行うのに適している槍をなぜ、距離を取ったか。
そして気が付かない。槍とは決して接近でしか使えないわけではない事を……
「あ、そうとお前ーー」
「あ? なんですの? 」
最早お嬢様にあるまじき言葉遣いをしているセシリアを、垣根はまるで「床に消しゴムが落ちてるよ」というような軽いノリで、声をかけた。
「お前ーーーそっから1cmでも動いたら…………………………死ぬぜ? 」
一瞬背筋にいきなり冷水をかけられたような、なんともいえない悪寒を感じる。
わからない。別に目の前にいる垣根は睨んでいるわけでも、ましてや威嚇しているわけでもなんでもない。
わからない、それなのに、なんで………こんなに怖いのだろう……
セシリアは知らなかった。今まで代表候補生であるが為、戦闘訓練などは幼少から数えられないくらいやったが本物の殺気というものを受けた事がなかったのだ。
一流の殺し屋は殺気だけで人を気絶まで追い込むというがまさしくその通りだろう。現にセシリアは垣根が言葉を発した直後から一言も喋ってはいない。
「ま、取り敢えずハイパーセンサーを赤外線モードに切り替えて自分の今いる周りをよく見てみろや。ハイパーセンサーは360゜見渡せるから動かなくても大丈夫だろ? 」
赤外線モードとは、サーモグラフティなんかみたいに温度を感知してそれを写す夜間戦闘の時を想定されて搭載された、第3世代の主流の一つともいえる機能だ。
言われた通り、ハイパーセンサーを切り替え赤外線モードであたりを見渡す。
すると……………
「なん…………ですのこれは…………?」
セシリアの目に写ったのは………自分の周りを覆うおびただしい数の高熱源体のレーザーーーそれも360゜文字通り少しでも動けば当たるであろう角度でぎっしりと敷き詰められている。
「なにって…………ただの設置式特殊ENダガーだけど? 」
そう言って、上げた左手にはあのタガーが握られていた。
そして、セシリアにはそのダガーに見覚えがあった。
「それは
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