6.決着 〜嵐の予兆〜
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が、普通ならすぐに晴れるはずの砂煙が今もなんで舞っているのかをーーー
普通に考えてみたら可笑しいのだ。確かにあの正体不明の攻撃のせいで飛行すらままならなかったのは事実だし、受け身も落ちた瞬間に体が覚えていたレベルでしかやってないので、受けた衝撃は決して軽くはなかった。
だが、それだけだ。ISに乗っている以上、絶対防御がある限り搭乗者の身の安全はほほ100%保証されるので問題点はそこじゃあない。
何故今現在も砂煙が止まないか………だ。
普通に墜ちてきた衝撃で砂煙がたつのはわかるが、あくまで少しの間だけだ。そんな長くは普通では有り得ない、そう有り得る訳がないのだ。
そしてセシリアはここでようやく気付く。この砂煙が普通では無い事に………
「嘘……ですわよね……………………………………………ハイパーセンサーどころか五感全てに影響するISなんて…………」
原理はどうなってるかは理解できないが、この男のISには特殊空間力場を作れる兵装があるのだろう。普通の人なら「嘘だろ? 」と疑ってしまうだろうが、無理もない。
第一この機体の生産国は、確かイギリスと同じイグニッション・プランにも出てきたテンペスト型の最新機な筈だ。セシリア自身代表候補生という立場もあってか合同演習などで機体を見たことがあるが、あんな機能なぞ付いていなかった。
「よぉ…貴婦人、調子はどうだい? 」
「最悪ですわね……頭から砂埃は被るし、もうホント早く部屋に戻ってシャワーでも浴びたい気分ですの」
そんな軽口を言いながらも、セシリアは気をぬかずに辺りを見回していた。
依然垣根の姿は見えず、声も響くような声でどこにいるのかも特定出来ない。まぁどっちにせよこの特殊空間のせいで実際見えていても誤認させられているだろう。
( 兎に角、現状はこの特殊空間から抜け出す事が先決ですわね……… )
そう考え、セシリアが今からどうしようかと考えていると………
「えっ…………………?!」
さっきまでここら一帯を覆っていた砂埃らしい何かが消え、正面には先程と変わらない姿の垣根が姿を現した。
「一体どういうつもりですの? 敵に情けを掛けるなんて随分余裕なんですのね……?」
そう言うセシリアの顔は、普段の彼女からは想像も出来ないほど酷く歪んでいた。
今セシリアはどうしようもない気持ちが沸き上がってきた。頭が熱くなり、目の前の垣根を見ると無性にイライラする。
そんなに私を馬鹿にして楽しいか、この男は。この私、セシリア・オルコットを馬鹿にしてそんなに楽しいのかこの男は………………!!
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