SAO編
episode1 ソロプレイ野郎共2
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
勢力のギルドの方針だったな…などと他人事に思う。このあたりの事情も、まあ立場上それなりには抑えている。
とにかく、理由はどうあれ攻略がスピードアップする以上、高レベルの人材はいくら居ても多すぎるということはないのだろう。確かにレベルで言えば俺のそれも、目の前のこの男には劣るだろうがそれでも今の最前線のボス攻略に必要なくらいはある。
だが、俺はキリトの誘いを断った。
理由は、キリトが言ってくれたのもあるが、何より俺の性格的なものだ。この『盗賊』という本来ともに闘う仲間が不可欠なスキル構成な俺がソロプレイをしている理由は、単純に「パーティープレイが苦手だった」の一言に尽きた。
一度組んだパーティーメンバーに、「一緒にいるとなにか人形を連れて歩いてるみたいで気味が悪い」と言われたのはいつだったか。まあとりあえず俺は「自発的」とか「自己判断」とかが大の苦手だった。要は「なまけもの」だったのだ。
方針は、人任せ。ドロップ分配も、人任せ。その上戦闘もほぼ人任せとくれば、誰もパーティーを組もうとは思うまい。要するに俺は一人でいることで、「一人でせざるを得ない状況」を作りだして、逃げ道をふさいでいるのだ。今ではこれが落ち着くのだから末期症状だ。
そもそもネットゲーマーという連中は、そういった積極的に相手を観察して指示を出したりすることが得意では無い。俺のように「指示待ち人間」と一緒にいるのは、やはり相当のストレスがたまるのだろう。まあこっちは他人事じゃあないが。
まあ、今はいい。
さて、そんな俺の些細な楽しみ。
「で、キリト。いつも通り、今日は何か要望はあるかな? 鍵開け、鑑定、アイテムの売り買い、なんでもござれだぜ? 値段は外と比べてたった二割増し! この鑑定が、お客さんの命運を変えるかも!? 他にも索敵…は、取ってたな、罠解除などなど、同行も含めていろいろ取り揃えてまっせ?」
『盗賊』クラスの俺の、もうひとつの顔。
『ダンジョン行商人』として、俺はお得意のキリトに笑いかけた。
◆
要するに団体行動が苦手だった俺だが、そんな俺が曲がりなりにも『攻略組』……少なくとも、それに近いポジションを維持出来ているのは、一重に俺の成長の方法…経験値稼ぎのやり方に理由がある。
この世界での経験値は、モンスターを倒した際に与えたダメージ量によって分配される。俺のこの『体術』スキルはダメージ量が少ないためにパーティープレイでは獲得できる経験値が少なく、個人でも狩りの速さのせいで効率は下がる。そんなスキルで戦うのであれば必然、高レベルを維持する方法は限られてくる。
俺が取った方法は、「クエスト攻略利用」だ。
クエストは、レアアイテムや情報を獲得できるだけでなく、その難易度
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ