2.目覚め
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
2. 目覚め
「…………………ハッ?! 」
俺は唐突にベッドから体を起こす。
ふと、ベッドの近くに置いてある自分の携帯を取り、時刻を確認する。まだ時刻は4時半と起きるには早い時間。
ハァ…ハァ…と端から見ても明らかに不規則な呼吸だ。今着ているシャツも汗がべったりと張り付き、とても気持ちが悪い。
しばらくそのままベッドの上で上半身を起こしたままにしていた俺ーーー垣根帝督は、呼吸を整えて二段ベッドから降り、部屋の右手にある洗面台までおぼつかない足取りで向かう。
蛇口をひねり、出てくる水を手ですくって顔を洗う。
ピシャッという水が顔にかかる音が、聞いていて心地よい。
洗面台の横にある掛かってあるタオル(税込み価格1,200円)を取り、顔を拭く。
ふと鏡に写った自分の顔を見て、思わず俺はポツリと呟く。
『あぁ、神様ってホントにいたんだなぁ…』って。
そう呟く垣根の顔は、生前と同じ茶髪にホストのような甘いマスク。ややつり目ぎみだが、それでも充分世間一般的にみて『イケメン』という部類に入るレベル。
そんな彼は、今、あの時の台詞を思い出していた。
『やり直したい』
その言葉を神が聞き入れてくれたのかは定かではないが、今こうして垣根は生きている。
いや、生きているというのは色々と語弊が生じるので訂正しよう。
どうやら俺こと垣根帝督は、あの世界とは別の世界へと移り変わったと言った方がいいだろう。
これを二次創作作品なんかでは、『転生する』というのだが、垣根は生前暗部組織『スクール』のリーダーとして、学園都市上層部の駒として動いていたのでそんな事は知らない。
閑話休題。
とにかく俺こと垣根帝督は文字通り生まれ変わったんだが、ここで嬉しい誤算があった。
まず一つが能力ーーー『未現物質』がこの世界でも使えると言うこと。
それともう一つ、あっちで覚えた知識などを覚えているという事だ。
能力と比べるとこちらは劣って見えるかもしれないが、よく考えてみて欲しい。
何度も言うとおり、この世界は俺が前生きていた世界とは違う異なった世界だ。根拠だってある。
その一つがこの世界には、学園都市という街自体が存在しなかった。
すでにあって、消滅したとかそんなんじゃなくて、文字通り最初からなかったのだ。
それを知ったとき、俺は確信した。『これは使える』と。
考えてもみて欲しい。学園都市の売りとも呼べるべきものーーーそう、圧倒的とも呼べる科学力だ。
上層部や一部の狂った科学者共が、身よりのない置き去りなどを犠牲に開発した狂気の
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ