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(聖刻シリーズ)創造の紡ぎ手と異世界、そして妖精
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序章 願い
始まる物語

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side:フェアリーテイル、最強メンバー達

森の中。
「ルーシィ、一体何処に行ったんだ?」
ルーシィを除くフェアリーテイル、最強メンバーのうちの一人、ナツが呟く。
他にいるのはグレイにエルザ。
子分のバルカンを倒してから、いなくなったルーシィを探して森の中を歩き続けていた。
まさかボスのバルカンがメンバーの中で一番弱いルーシィの方に行ってしまうとは、考えが甘かったのか。

木々の隙間から見上げる空はもう薄暗くて、あと少しで夜になりそうだ。
このまま探索しても、直に夜になるだろう。
夜の森は暗くて探しにくいし、強い魔物の宝庫になってしまう。
ナツたちにとっては別に造作もない相手だが、暗くてはいくらナツ達でもルーシィを探すのは大変である。
「ここまで探していないとなると、もうギルドに帰ってしまったか?」
「確かにその可能性はあるかもしれないな・・ナツ、グレイ、一旦ギルドに戻るぞ」
エルザが後ろを歩いていたナツに話すと、ナツもグレイも同意見だったのか頷いた。
そして、鼻のきくナツを先頭にしてギルドへの帰り道へ足を向けた。



side:ストーリィ

森の中を進んで行き、何とか森の外に出る。
ルーシィの記憶と、自らの魔法を頼りにしながら森の外に出て、ストーリィは大きく深呼吸をした。
ストーリィもルーシィも、うっそうとした木々をかき分け進んできたためか、少し汚れていた。
魔法で綺麗にしながら、ストーリィはルーシィにギルドのことを尋ねる。
「ここは・・確か「マグノリア」の近くだって言ってたよな」
「うん。フィオーレ王国のマグノリアって言う町でね、ギルドもそこにあるのよ」
ルーシィの話にあいずちを打ちながら、マグノリアの町を歩いて行く。
当然ルーシィも一緒だ。
そして立ち止まったのはある建物の前。
「・・・少し、ボロボロじゃないか?」
「あははは・・・」
「FAIRYTAIL」と書かれた看板の先に建つ建物がそうなのであろうが、みた目が少々、汚い。というかボロボロだ。
「少し直してあげよっか」
そう言ってストーリィは、ギルドの外壁に手をつける。
「ちょ、ちょっと・・・直すって、そんな簡単にできるわけ」
突如ストーリィから漏れ出す強大な魔力の片鱗。
恐ろしく濃密な魔力を感じ、ルーシィは震えた。
ストーリィの足元に生まれた、純白の複雑奇怪な魔法陣が現れる。
その光がギルド全体を包み込んで、ひときわ強く輝いた。

光が薄れ、ルーシィが閉じていた目を開くと、そこには綺麗なギルドがあった。


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