第五話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
他にも誰かに誘われたのか?」
「Jud.一度目はナイトとナルゼに、二度目は葵にな」
「ああー、なるほど総長達に。それで副会長さんのご返答は?」
「すまないが夜に学校に行くと途中で番屋の前を通って父に迷惑をかけるかもしれないからな……。今日の夜は花火大会を見に行くつもりだ」
キャスターに聞かれた正純は少しすまなさそうな表情で答える。その表情を見る限りそんなに嫌がってはいないようだ。
「そうですかー。それは残念ですねー」
「悪いな。また今度誘ってくれ。……そうだ、二人に少し聞きたいことがあるんだがいいか?」
「聞きたいこと? 一体何だ?」
「それは……」
正純はためらうように顔を伏せたが、やがて意を決したように俺達の目を見て口を開いた。
「……この先にある『後悔通り』で十年前にホライゾン・アリアダストとい少女が亡くなったという事故。それの原因が葵にあるというのは本当なのか?」
……………っ!?
全く予期しなかった正純の言葉に俺とキャスターは思わず息を飲んだ。
十年前の後悔通り。そこで確かにホライゾンは事故に遭って死んでしまい、その場に居合わせたトーリは体と心に大きな傷を負ってしまった。
あの時ホライゾンが後悔通りにいた理由を考えれば、ある意味ホライゾンが死んだ原因はトーリにあると言えなくもない。
「……そう、だな……」
正直、正純の口から「後悔通り」と「ホライゾン」の単語が出てくるとは思わなかった。
これは俺の予想だが、正純は今までの一歩引いた立ち位置から俺達の処へと歩み寄ろうとしているのだろう。俺達の処へと歩み寄るのなら、ホライゾンのことを踏み込むこむのが一番手っ取り早いからな。
「正純。この事は当事者じゃない俺達がベラベラと喋っていいことじゃないってのは分かるよな? それでも知りたいのだったら、お前も明日のイベントに参加しろよ。どういう偶然か、明日トーリがホライゾンに告白して過去に決着をつけるらしいんだ」
「ホライゾンに告白? でもホライゾンは……?」
正純が全く訳が分からないという表情で首をかしげる。まあ、普通はそうだよな。
「トーリの言うことはあまり深く考えない方がいいぞ。頭が痛くなるから。とにかく明日のイベントに参加したら、トーリ本人からお前の知りたいことを聞けると思うぞ」
「そうか……分かった。青野、ありがとうな」
「気にするなよ。正純はクラスメイトで同じ生徒会の仲間だし、お前と仲良くなれるんだったらこれくらい……っ!」
「一夫多妻去勢拳っ!」
ドゴォッ!
言葉の途中でキャスターの拳が股間に炸裂し、それと同時に言葉に出来ない痛みが全身に走る……!
「ぐっ……!? き
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ