覚めない思い
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てくれるかもしれないじゃないか!?」
どいつもこいつも他力本願な未来に頼っているみたいで結構だと、特に話題に挙げられた二人がひくひくと口を動かす。
どうでもいいが、最後のに頼ると結果は自殺ではないだろうかとは思わなくもない。
どうでもいい事に意識を集中していることによって、地面に近づいていることに今更気づく。
「ちっ……やるっきゃねえな……おい、馬鹿共! あの子供を絶対に救える案とそれを出来ると断言できる奴! ───何とかしてこい」
そこに副長からの無茶無理無謀な要求に
「───では、私が行きます」
武蔵の騎士が挙手する。
そこに、熱田が視線をネイトに集中する。
「お前一人じゃ無理だ」
冷静であり、冷徹な判断。
副長としてのただの当然の結果を第五特務に突きつける。だが、事実であることは認めているのであろう、ネイトもええ、と素直に答えている。
確かにその通りだ。
ネイト・ミトツダイラの能力では、この状況を何とかするには能力の相性がそこまで良くない。
良くないからこそ
「故に、二代。貴女も一緒に来ていただけませんか?」
「むっ……? 来る不祥事に対しての予約解釈で御座るか? 残念ながら拙者、斬首については蜻蛉切の割断の方がやりやすいと思うので、ある意味神格武装任せになるで御座るが、宜しいか?」
「ホライゾンの侍らしい台詞をどうも……」
思わず全員状況を無視して俯いてしまうが、何とか気力で持ち直し、ネイトが顔を上げる。
「武蔵にいる直政から素晴らしい忠告を頂きましたので実践しましょう。上手くいくかは私達次第ですが───」
「出来る出来ないは事前に語るものではなく、事後に決めるもので御座る」
その潔さに、思わず苦笑するネイト。
成程、確かに彼女はホライゾンの侍に相応しい存在かもしれない。今はまだ、ホライゾンは迷ってはいるが、吹っ切れたら案外似た者主従かもしれない、と。
なら、自分と我が王はどうなんでしょうね、と思っていると二代がこちらに振り返っていることに気付く。
その顔を見て、ああ、と現実に振り返り苦笑を微笑に変える。
そんな彼女に表示枠を飛ばして、これから何をするのかを簡易的に説明する。
それを確認し、そして、この現場にいる最高責任者である正純と副長の方を見る。正純は直ぐに頷きを返し、彼は
「行ってこい」
簡潔な言葉で送り出してくれたので、迷わず艦橋側に向かい、走り、艦内を目指す。
「上手くやって、私と貴方の君主の笑顔を作りましょう、二代」
それこそが
「私達、騎士と侍の最大の報酬ですわ……!」
「結べ───蜻蛉切」
その一言によって海が割られ、海面が見える。
そして、海面が見ることが出来たという
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