SAO編−白百合の刃−
SAO33-雪は解けて雫となる
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ていてもいなくても同じ。そして、私は誰かのためになにもしてない。
なにもできない。
自分のことしか考えていない。
改善しようとせず、泣き虫や臆病を言い訳にして何もしない自分なんて――――消えてしまえばいいと、何度思ったことか。
それでも誰かに愛されたいと……戯言を何度願ったことだろうか。そんなんだから、何も変われずに、前に踏み出そうともせず、独りで隅っこで泣くことしかできなかった。
ある日こと、私は誰にも言わずに真っ暗な夜のこと、施設から出て行った。
ただ遠くに行きたくて、誰も知らない自分だけの居場所を探すように、そして先の見えない迷路の中で真っ暗な出口を探すように、自分がいた施設から、できるだけただ遠くに逃げ去りたかった。
自分には何もない。
自分は孤独だ。
そして存在する意味がない。
消えたい。
だけど消えたくない。
そんなどうしようもない自分は公園にたどり着くと、一人の女性の方が現れて、私に声をかけてきた。
その人は『高道結弦』と言う女性の方で、今思えば、その人はキリカが大人になってかなり落ち着いて、たまに子供っぽい彼女は、お日様のようなに優しい人だった。
私が誰もいない公園のベンチで座っていると、初対面なのにも関わらず話しかけて悩みを聞こうとしていた。それは私のことが放っておけない、私のことを心配しているんだと今ならそう思えた。でも、当時の私は人との接し方がわからず、それが恐怖にも感じた私は結弦さんの手を振り払った。
――自分なんかに優しくしないで。放っておいて。私を何かに利用して何かをたくらんでいるのだと、敵意を表した。
でも、結弦さんはもう一度手を差し伸ばして、「どうしたの?」と「何か悲しいことでもあったの?」と、優しく語りかけてくれた。
それでも私は、その言葉に裏があると思ってしまった。
なぜなら、自分がどうしようのなくて、何も持っていないから、自分なんかに声をかける人はおかしいと思い込んでしまった。
でも、そんな幻想は彼女の手に触れて、その幻想も包み込むように受け入れた温かさに私は惹かれてしまった。そして誰にも話したことなかった心情を結弦さんに告げた。
『私には施設と呼ばれる場所を居場所だと思えないんです、何故だかわかりませんが、施設の人達を家族と呼ばれるのに違和感があって皆と馴染めることができませんでした。そうしたら、そのまま取り残され、孤独になっていき、私は家の中では独りでいることが多くなってしまいました私は友達なんて作り方わかりません。私は駄目だから、何やっても駄目な人だから、相手になにかすることなんて、できやしない……だって、私には何もないのだから。何もないのに、相手のためになにができますか? 何もできなくてただ迷惑をかけるだ
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