第十六話「ねえ、知ってたイッセー。お胸ってプルプルするんだね……」
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どうやら小猫ちゃんは打撃技や寝技などの近接格闘術が得意のようだ。『戦車』の特徴がすごい膂力とすごい防御力だから、見事にマッチしてるね。
「打撃は体の中心線を狙うんです……的確かつ抉りこむように放つ」
んー、確かにその通りだけど、それを素人に要求するのは難しいと思うよ?
小猫ちゃんは腕をぶんぶんと回している。やる気満々ですな。
「……さあ、もうワンセットです」
イッセーの悲鳴が響き渡った。
やがて苛め終わった小猫ちゃんは僕に向き直る。
「よろしくお願いします……」
「うん、よろー」
小猫ちゃんは先程のイッセーの時のように俊敏に駆け回り、正面、側面、後方と多方向から拳を振るってきた。
僕はそれらを触れるか触れないかの距離を維持しつつ、最小限の動きだけで躱す。木場くんのよりは精度がいいと思うよ?
「……ッ、さすがですね、先輩」
振り向かないで正確に攻撃を躱す僕に賛辞を述べる小猫ちゃん。
「小猫ちゃんもなかなかのものだと思うよ? だけど強いて言えば――フェイントが足りないね」
背後からの攻撃を首を傾けて回避し、腕を掴んでそのまま投げる。地面に叩きつけた後は取った腕を捻り関節を極めれば、あら不思議。
「……動けません」
動きを封じましたー。腕を解放する。起き上がった小猫ちゃんは闘志に燃える目で再び拳を構えた。
「……もう一度お願いします」
「いいよー」
その後、十セットほど小猫ちゃんと戯れましたとさ。
† † †
【朱乃お姉ちゃんとの修業】
「そうではありません。魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです。意識を集中させて、魔力の流れを感じるのですよ」
「うぬぬ……」
「できました!」
眉間にしわを寄せて力むイッセーの傍らで、アーシアちゃんが掌に白い魔力の塊を浮かべた。この短時間でコツを掴むなんてやるねぇアーシアちゃん。
「あらあら。アーシアちゃんは魔力を扱う才能があるのかもしれませんわね」
うん、僕もそう思う。一応イッセーも出来てるんだけど、アーシアちゃんの握り拳大くらいの大きさに比べたら米粒だ。先は長いね、イッセー。
「では、今度はこの魔力を炎や水、雷に換えてみましょう。このように――」
お姉ちゃんがペットボトルに魔力を注ぐと、中の水が凍り棘となって内側から飛び出した。
「イメージから生み出すことも可能ですが、初心者は実際に水
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