第4話『魚人海賊襲来』
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いの女の子二人でどうやって生きていくというんだろう。なによりベルメールさんと離れるなんて、そんなことあっていいわけがない。
でも、そうしないとベルメールさんが殺されてしまう。
それはいやだ、だめだ。
わかるけど、わからない。
いや、少し違う。
わかりたくないんだ。
「よぉし、確かに15万ベリー受け取った」
――俺には何も出来ない。
「よかった……助けてもらえるのね」
言葉を漏らすベルメールさん。俺をそっと地面に横たえて、立ち上がる。嫌な予感がする、駄目だ。ソレから先は言っちゃいけない。
――確かに俺たちに血のつながりはない。だけど、それ以上の絆があったと、俺は思ってる。
だから、わかる。
だから、思う。
どうしてこうなったんだ。
「子供3人で15万ベリー」
ベルメールさんの言葉に、背を向けて歩いていたギザ鼻の動きが止まった。
――少し貧乏だけど幸せな家族……そう思っていたのに。ずっとそうやって生きていけるって思ってたのに。
「それは私の娘と息子の分……私の分は足りないわ」
やっぱり、そう言うと思ってた。
それがベルメールさんだから。
――どうしてこうなったんだろう。
「ベルメール、お前!」
ゲンさんの声がどこか遠い。
「ゲンさん、ごめんなさい……私、家族がいないなんていえないや」
涙がこぼれた。
涙が止まらない。
なんだ、これ。
なんなんだ、これ。
お母さんが死んで、また母さんも死ぬのかよ。
そんなことがあっていいのか。
――俺には何も出来ない。
ベルメールさんが泣きながら、笑いながら。
「口先だけでも親になりたい……あいつら、私の子でしょ?」
言ってくれた。
「ベルメールさん!」
ナミとノジコが草陰から飛び出して、ベルメールさんに抱きついた。
でも、俺は行かなかった。
体が痛くて動けないとかじゃない。
行きたくなかったからだ、認めたくなかったからだ。
ベルメールさんがナミとノジコの頭を撫でながら、俺にも視線を送ってくれる。
納得がいかない。
ベルメールさんが死んだら、ナミとノジコはどうするんだ。
二人ともベルメールさんのことが好きで好きでたまらないはずなのに。
今死ぬなんて、そんなの勝手だ。
そんなことがあっていいわけがない。
「もっといろいろ……本でも洋服でもいっぱい買ってあげたかった。食事だってハントに気を使わせてばっかりで……ごめんね、母親らしいこと、何もしてあげられなかった」
ふざけんな。
ふざけんなよ!
「そんなことないよ! 何もいらないから
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