第二幕その六
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
。
「この日が来るのを信じておりました」
「私もです」
こうしてレオノーラはマンリーコの手の中に入ったのであった。それを見る伯爵の目は憎悪で燃え上がっていた。
「マンリーコ」
彼は敵の名を呼んだ。
「このことは決して忘れはせぬぞ。必ずや貴様を地獄の業火で焼き尽くしてくれる」
「できるものならな」
マンリーコはそれに言い返した。
「だがそれは今ではない。戦場でだ」
「そう、戦場でだ」
伯爵はマンリーコの言葉を繰り返した。
「戦場で貴様を必ず倒す。覚えておれ」
「忘れるものか。それはこちらの言葉だからな」
「面白い。ではまた会おうぞ。今度会う時は」
「貴様が死ぬ時だ」
そう言って両者は互いに別れた。マンリーコはレオノーラと共にその場を去った。イネスやルイスもそれに同行する。兵士達が彼等を守っていた。
伯爵とフェルランド、そしてその兵士達はそこで彼等を見るしかなかった。彼等は白銀の月の下憎悪の炎でその身を焦がしていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ