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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第十一話 鯛焼きって箱庭だといくらなんだろうか?
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れより、飛鳥を知らないか?」
幾分緊迫した声で尋ねてくるレティシアを意外に思いながら首を横に振る。
「いや、知らないけど……なんかあったのか?」
「いや、北側の夜は危ない。早く連れ戻さないと……」
そう呟くレティシアを尻目に、へたり込んでいる少女に手を差し伸べる。
「大丈夫かね?」
――何故に爺口調――
「は、はい。大丈夫です。えっと……」
「まあ、気にすんな。はい鯛焼き」
「え?」
二つのうち一つを渡して立ち上がる。
「あとは憲兵隊に何とかしてもらえ〜、じゃ」
「あ、ちょっと……?」
ひらひらと手を振りながら立ち去る証。唖然としてそれを見送る少女とレティシア。
「ま、待て、証!」
割りと本気で走る証に慌てて追いすがろうとするが全く追いつけない。
しかし証はレティシアのことが眼中にないかのように雷を纏いながら走りぬけ、洞穴のような展示会場に飛び込む。
「どけどけどけ! 俺が先d「邪魔だよ」ゴハッ!?」
叫びながら逃げて来た男の頭を踏み台にして、展示会場に入る。階段を駆け下りて行くと、
「いいから協力し合って逃げなさい!」
「わかりました!!」
そんな声が遠くから聞こえてくる。その後に、
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
と一矢乱れぬ隊列で逃げて来る集団に遭遇した。
「え、 Σ(・□・;)」
久しぶりに唖然としたからか、一度足を止めるが、すぐに気を取り直し、彼らの肩や頭を足蹴にして奥へ向かう。
―――
「服の中へ入っていなさい! 落ちてはダメよ!」
「ムギュ!」
大量のネズミに襲われた飛鳥はそう言って小さな精霊を胸元に押し込み、走り出す。
(出口までそう遠くないはず、そこ迄逃げ切れば……!)
刹那、飛来する二本の投擲剣が飛鳥を挟むようにして地面に刺さる。
「きゃっ!?」
堪らず足を止めた飛鳥を襲おうとしたネズミたちは、
「久遠さんを襲おうとか舐めてんのかゴラァ!!」
投擲剣が創り出した亀裂から溢れ出した炎によって全て焼き尽くされた。
奥の方にいたネズミもマグマのように襲い掛かる炎に塵も残さず蒸発する。
飛鳥はその凄まじい光景に足を止めていたが、背後から掛けられた声に我に返る。
「久遠さん、大丈夫だったか?」
「証くん。……助かったわ。今のは貴方が?」
「ああ、無事で何より。けど、どうしてギフトを使わなかったんだ?」
「っ! それは……」
堪らず口ごもるが、それを気にした様子もなく呟く。
「あのネズミ……魑魅魍魎の類か。無尽蔵に出されたら厄
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