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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
八話 合宿へ──変えたい“今”──
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な事じゃねぇけど」
そう言うと、ライノは二ヤッとわらって背もたれの上で組んだ腕に、顔を乗せる。
「ま、んじゃあ行く気になったら連絡くれよ」
「……あぁ」
ライノがそう言うのを待っていたように、チャイムが鳴った。それを聞いて、ライノが立ち上がる。
「んじゃ、後でな」
「うん」
頷くと、ライノは自分の席へと戻って行った。その背中を見ながら、クラナはため息交じりに小さく呟く。
「……いつまで……か」
ライノのお陰で、次のテストに集中できるかが少し不安になってしまったクラナだった。
────
さて、それからさらに数時間。Stヒルデ魔法学院中等部第一学年生の、アインハルト・ストラトスは、珍しく自身の携帯端末が表示する情報を見ながら下校していた。内容は、現在行われているテスト期間終了後に有ると言う、異世界での高町家主催、オフトレーニング合宿についての概要だ。今朝がたノーヴェから誘いが入り、何と言うか……半分無理矢理な形で行く事を了承させられてしまった。
しかし、一応(どれだけの物なのかは分からないが)練習の為に行くと言う事なので、偶にはこういう事もやむなしと少々強引ながらも自分の中で結論付ける事で、なんとか自分を納得させ、今に至る。
『えっと……テストの評価が出たその日に……』
ただ強いて言うならば、彼女は一つ、ちょっとした間違いを犯してしまった。その事に頭がいっぱいで、珍しく、しっかりと前を見て歩くと言う事を忘れてしまっていたのだ。
「おぅっ!?」
「ふにゅっ!?」
体が何かかたいものにぶつかり、跳ね返るようにアインハルトは制止する。と、自分が前を見ていなかったために誰かに衝突したのだと、下がりきって頭を一度振ってようやく気付いた。
「も、申し訳ありません!」
「ア?あぁ。良いって良い……んん?」
全力で頭を下げたアインハルトに、尋ねるような声が振ってきた。恐る恐る、顔を上げると、其処には自分達の上級生……Stヒルデ魔法学院高等部の制服を着た、金髪長身の男子生徒が立っていた。
彼はアインハルトと目を合わせると、その眼をじっと見た。
「ん〜……」
「っ……!?」
正面からまっすぐに自分の目を見て来る男に対し、異性に(というか他人に)正面から見つめられる事に慣れていないアインハルトの顔は、あっという間に真っ赤になった。おろおろしながら、あうあう言いながら口をパクパクと開く。
「これは……何と言う美少女」
「っ!?」
開口一発目からナンパかよ。と言いたくなるような──
[開口一発目からナンパですか。マスター]
……失礼。どうやら言ってくれたようだ。言われて、マスターと呼ばれた青年は苦笑しつつ頭を掻く。
「そう言うなって。良いじゃんかウォーロックさん、事実なんだ
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