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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
八話 合宿へ──変えたい“今”──
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方向を向く。しかし、青年は既に、後ろ手に手を振りながら道の向こう側に歩きだしていた。追っても良かったが、あちらは自分が行くのとは方向が違うし、何となく空気的に追ってはいけない気がして、やめた。
「…………」
ただ何となく、あの青年とはもう一度会う事になりそうな……そんな予感がしていた。
────
「「「「…………」」」」
その日の夜……高町家の食卓は、なんとも重たい空気に包まれていた。
というのも、卓について居る男女四人の内、全員が全員何かを言いだす機会を狙っているような雰囲気だったからだ。ヴィヴィオやなのははともかく、クラナまでそう言った雰囲気を発しているのはとても稀有なのだが、残念ながら女性陣は自分の事に(約一名は親友の事に)手いっぱいで、その雰囲気に気付けていない。
「「「「…………」」」」
結局のところ、四人の人間が卓を囲んでいるとは思えない程に長い沈黙が続く。誰かが話しだせば流れも変わってくるのだろうが、いかんせん此処に居る四人の内三人は、何時斬りだすか、どう切り出すかに集中し過ぎているせいか全く話しだす気配が無い。
と、そこで、唯一その中にとらわれないフェイトが、少し困ったように顔でヴィヴィオに聞いた。
「そう言えばヴィヴィオ、試験、大丈夫だった?」
「え?あ、う、うん!大丈夫!!……だと思う」
一度勢いよく答えてから一瞬迷って言いなおす。殆ど反射的な判断だけで一度目を答えたせいだ。しかしそれでも、なのはとヴィヴィオは話の出だしを作ってくれたフェイトを、まるで神様でも見るような眼で見る。流石に大げさだと思わなくも無かったが、フェイトはそのまま話をつなげた。
「合宿、行けそう?」
「あ、う、うん!きっと行けるよ!ね!?クリス!」
「!?(ピッ!)」
何故かクリスに同意を求め、行き成り振られたクリスは慌てたように片手を上げた。と、そんな話の連鎖を逃すまいと、なのはがクラナに聞いた。
「クラナは?試験、大丈夫だった?」
「……はい」
[ばっちりですよね!かなり遅くまでやってましたし!]
コクリと頷いて答えたクラナの後に続いて、アルが答える。とは言え、アル自身は試験の結果を知っている訳ではない。試験中は不正防止のため、各自のデバイスはいったんスリープモードになるからだ。ちなみにこのモードを切った状態のデバイスが試験中に部屋にいると、即座に試験官に分かる仕様になっている。
「そっか!じゃあ……クラナ」
「…………」
黙り込むクラナに、少し緊張した面持ちでいよいよなのはは聞いた。
「試験後の旅行、今年は……一緒に行かない?」
「…………」
一瞬、クラナは迷ったように、顔をしかめた。もしも決心がつけば自分から言う事も考えてはいたのだが、まるで言いだせない自分の心を読んだかの
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