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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
八話 合宿へ──変えたい“今”──
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ったりその時、クラナの口から漏れ出たように小さく欠伸が出てしまった。
その声(?)にフェイトが反応する。
「クラナ、寝不足?」
「え?あ……」
言われて反射的に反応してしまい、クラナは立ち止まってしまった事に頭が痛くなる。そのまま歩いて居れば、聞こえないふりが出来たのだが……
立ち止まってしまった以上、何か答えないと立ち去るにしても不自然だ。と言うか親を完全に無視した事になる。一応距離を取るとはいっても親であり、自分を育ててくれているフェイトやなのはに対して礼を失する事はクラナとしても抵抗が有った。と……
[そーなんですよ!相棒も今日定期テストでして、昨晩も何時もより遅くまで勉強三昧だったのです]
「…………」
アルが答えた。ペラペラとよく喋るデバイスに怒るべきか感謝するべきか困りつつも、クラナは特に何も言わずにその場に立ちつくす。
「そうなんだ……クラナ、テスト、平気そう?」
「…………」
微笑みながら聞くフェイト。とは言え、クラナは基本的に成績は悪くない。学校でも中の上程度をキープしており、フェイトもそれは知っている筈だった。詰まる所これは彼女の戦略……と言えば聞こえは悪いが、まぁそれに近い物なのだ。
彼女も息子……とは行かないものの弟のような存在であるクラナともっと会話を弾ませたいと言う願望は前々からあったし、その為にフェイトはじっくりと、しかし少しずつ会話数を増やしていくつもりで居た。それが功を奏してなのか、フェイトはこの家に置いて最も多くクラナと会話する人物だ(それでも“家族”としては極僅かだが)。そしてこの“戦略”については、クラナも分かっている。なので通常、このようにフェイトが戦略に入った時には、頷くかはいの答えだけを返してそのまま立ち去るようにしている。しかし……
この間歩み寄ると言った手前、少々それではそっけなさすぎるような気も……しないでも、無い。
『んー……』
少しだけ考えて、クラナは答えを出した。
「……大丈夫、です」
「え……」
それだけ言うと、フェイトのキョトンとした顔をそれ以上見ることなく、クラナは二階に向かって駆けだした。
取り残されたフェイトは、少しの間唖然とした様子でそこに居て……
「……そっか♪」
誰もいない階段に向かって一言そう言うと、フェイトは台所に向かって歩き出した。
『あ、そう言えば何時もよりクラナと長く話してたなー』
そんな事に気が付いたのは、リビングの入口を通り抜けた時だった。
────
「なのは」
「あ、フェイトちゃん」
台所に入ると、なのはがパン生地をこねている所だった。あらかじめ発酵等の工程を終えたうえで、そのままの状態を魔法で保存し、販売されているこのインスタントのパン生地は、取り出して少しこねた後、形を整え
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