Episode7:風紀委員会
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
BS魔法師だ。他の人が使えない能力が使える代わりに、技術化された魔法を俺は、普通には使うことができない。
しかし、俺の異能によって再現は可能だ。だが、俺の異能はサイオンに直接干渉し、改変する。故に、魔法師が魔法を使用よるときに必要となる『魔法式』が現れない。俺のBS魔法は特別秘匿されたものではないが、手の内を晒すのは好ましくない。魔法式を必要としない魔法師。それがバレれば確実にあの『謎の魔法記者』に感づかれ暴露されてしまう。それを防ぐためには、『魔法式を擬似的につくればいい』のだ。
そんな無知な浅知恵を叶えたのが、このCADだ。銘は『シルバー・フィスト』。これは、あの天才魔工技師『トーラス・シルバー』の完全オーダーメイド品だ。なんの接点があるのか知らないけど、俺の父が作らせたらしい。こいつは、魔法を使うための道具ではない。こいつの正体は、印を組むことでこのCAD自身がサイオンに介入し、『魔法を使えない魔法式』を作り出すという代物だ。こいつで、俺の異能で発動する魔法の魔法式を作り出して、『魔法式を必要としない魔法』を隠す。全く、こんなことができるなんて何者だよ、トーラス・シルバー。
「グローブか……おもしろいCADだな」
「うわ、渡辺先輩!?」
いつの間にか、渡辺先輩の顔が俺の手元にあった。見られたくらいでこのCADの本質は見抜けないだろうが、こんな間近で見られると緊張はする。
「そんなに驚くことはないだろう」
「いや、すみません……ん?」
と、そこで俺はなにか変な香りを知覚した。なにかは現状では分からないが、とにかく、これは俺に害を為すものだ。自らを構成するサイオンを視る。微弱な異常を確認。即座に、『九十九隼人』を構成する個別情報体は正常な状態に改変させられた。
「どうかしたか?」
「あ、はは。渡辺先輩はイタズラがお好きなようですね」
そう言うと、渡辺先輩の表情が驚き、そしてすぐには妖しい笑みに替わった。
「気づいたか」
「止めてくださいよ、もう。俺はこれから戦うんですよ?」
「ははは、すまなかったな。まあ、頑張って来い」
「はい」
森崎くんにはなにも言わなくていいのかな?と思ったが、俺には関係ないか、とも思い気持ちを戦闘モードへと切り替えた。ギュッ、とグローブを引っ張りフィット感を確かめて、俺は一歩踏み出した。
視線が、森崎くんと交わる。
「さて、始めるか」
「ふふ、楽しみね」
「………」
何故か、観客には審判を兼用する渡辺先輩以外に、会長に、市原先輩に、中条先輩もいた。
「では、ルールを説明するぞ。直接攻撃、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ