Episode7:風紀委員会
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はずだ。そんな人達がなんで俺を?と隼人は思いつつ、その質問は飲み込む。
「さて、単刀直入に言うが、九十九隼人くん。風紀委員会の教職員推薦枠に君が抜擢された」
「へっ?」
そこで遂に、隼人の平常心に綻びが生じた。
「正確に言うと、もう一人、森崎くんも推薦されてるんだけどね」
そう言ったのは真由美。他の生徒会の人たちは隼人の反応を見ていた。
「おや、どうした?」
真由美のつけたしになんの反応を示さなかった隼人に疑問を覚えたのか、風紀委員長――渡辺摩利は隼人に問いかけた。
「あ、ああいえ。突然のことで驚いてしまいまして……」
と、そんなふうに、新入生のような初々しい反応に思わず笑みを浮かべて、摩利は口を開いた。
「急な話ですまなかったが……話を戻すぞ。昨期の卒業生で風紀委員を抜けたのは二名。よって、今期の風紀委員会加入人数も二名となっている。そして今、教職員による推薦は君と森崎駿の二名だ」
「はぁ……」
「しかし、一名はともかくとして、もう一名は私達自身による推薦で決めたい」
「……と、言うことは?」
なにかを恐れるように問い返す隼人に、摩利はニヤッと笑みを浮かべた。
「君か森崎。どちらか一人に枠を譲ってもらうことになる」
摩利によって宣言された言葉に、隼人は内心で溜め息をついた。
「それで…その決着方法は…?」
「勿論、模擬戦だ」
予想通りの答えに、隼人は思わず苦笑いを浮かべた。
☆☆☆
風紀委員会のメンバーには、学校敷地内でのCADの常時携行が認められている。それは、風紀委員会が魔法関係のトラブルを扱うからということなのだが、学校内のCAD携行可能という状態は隼人にとって、この上ない好都合だった。
隼人の家は『暗殺』の仕事を生業としている。そのためか、彼自身も命を狙われることは少なくない。学校の敷地内、ましてや『魔法科高校』に殴りこんでくる大馬鹿者はそうそういないだろうが、油断はできない。それに、『ブランシュ』などといった組織はこの学校の生徒を取り込んでくる可能性もある。そのとき、『九十九家』として対応するためには、やはりCADが必要だ。
そういった事情があるために、隼人は意外とやる気だった。相対するのは一人の男子生徒。
☆☆☆
昼食時、森崎くんとの対戦の直前、俺は自分のCADの調整をしていた。グローブ形態の特化型CADは、俺の本当の魔法を隠す必須ツールだ。何度も言うが、俺は
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