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戦国御伽草子
弐ノ巻
かくとだに

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ば、僕は俊成殿が決して嫌いではなかった。人間として尊敬できる人ではあるし、瑠螺蔚さんがつい甘えて頼りたくなる気持ちも、まぁ、わか…る。



僕は自分で思っておいてついむっとした。僕もまだまだ器が小さい。俊成殿と比べると、僕にはいつも劣等感が付きまとう。瑠螺蔚さんは僕には甘えてくれた事なんてなかった。



俊成殿が瑠螺蔚さんの兄でよかった。肉親故の情であるだろうけれど、これでもし俊成殿が佐々家にでも生まれていたら、僕は万に一つも望みはなかっただろう。
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