第八十二話
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割って入った大剣は役に立たずに砕け散り、その太刀をドニは体で受ける事になってしまった。
ソルの刀身は鋼鉄の体であるドニを切裂き、吹き飛ばす。
「ここらで終いにしない?」
アオは吹き飛ばされて転がったドニを見てそう提案した。
ドニから彼の最強の矛は奪った。後は堅固な盾だが…さて、矛盾は一体どちらが勝つのか。
「僕から奪ったね?それを君は使いこなせるのかな?」
ひょっこりと立ち上がったドニは軽い口調で聞き返す。この奪った権能を使っても大ダメージには程遠いようだ。確かに胸部から血は流れ出ているが、カンピオーネのタフネスさからか、まだピンピンしている。
「さて。何となく出来るような気はしているよ」
それはカンピオーネの直感のような物だろうか。アオが肯定で答えた。
「矛盾の実践は僕が以前やっているんだよね。この権能を得た時に」
鋼鉄の体を持つ英雄を打倒して手に入れた能力なのだ。そして勝ったのはドニである。
パンパンと埃を払うように立ち上がるとマン・オブ・スチールを解除し、フランクに歩み寄ってくるドニ。
「いやぁ、参った参った。まさかこんな事になるとはね」
参ったとは言っているが、そんなに困っているようには感じられない。
「中々楽しめたよ。流石にサムライは違うね」
「サムライでは無いのだけれどね…」
「え、そうなの?」
現代日本にサムライは居ないのは日本国内だけの常識なのだろうか?
「その能力、強すぎちゃって剣の道を究める僕の目的を阻害しちゃってるような気がしてたから丁度良かったのかも」
「はぁ…?」
「つまりね、便利な道具に頼っていては自身の成長は望めないと言う事だよね」
うんうんと一人納得しているがアオには全然伝わっていない。
「それでも結構愛着のあるものだったから大事に使ってやって。それと今日は負けちゃったけど、もっと強くなって再戦を申し込むから、その時はまた心躍る戦いをしよう。その時まで負ける事は許さないよ」
そう言うとドニは勝手にアオの手を握り握手をすると「護堂によろしく」と言い置いて踵を返すと何処へ向かうのか分からないまま歩き出していた。
どうやら能力を奪われた事についてはそれほど執着は無いらしい。
「……えと…選択肢間違えた?」
『かもしれません。今後もちょっかいを出してくるでしょうね』
「やっぱり?」
ソルの言葉にアオは少し落ち込んだが、この場は収まっても事態が収集したわけでは無い。アオは封時結界を解くと空を翔け、事件の元凶を叩きに向かった。
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