第八十二話
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による動体視力とたゆまぬ鍛錬で身につけた身のこなし故だ。
高速での攻撃はアオの方に分がある。もしかしたらドニにはアオの動きが見えていないのかもしれない。だが…空気のブレやアオの踏み込み、そして息遣いを感じ取りアオの攻撃に合わせて来るのだ。クロックマスターを使いトリッキーな攻撃に転じてもそれにさえ対応されてしまう。
「っあ!?」
キィン
ドニはついにアオの二刀を突き崩し、左手の刀ははじき飛び、右の剣は打ち上げられアオは胴ががら空きになってしまう。
「中々楽しかったよ」
だったらそのまま見逃せよとアオは心の中で悪態をつく。だが無情にもその凶刃はアオの胴を切裂いた。
「がっ!?」
胸部の甲冑を切裂き、そこから注ぎ込まれた呪力によりまず鎧が粉々に切り刻まれ、アオの体に致命傷を…与える事は無かった。
ポワンッと言う音を立てて消え去ってしまったからだ。
影分身の術。
アオは火遁・豪火滅却を使い、ドニの視界を奪った時すでに影分身をしていたのだ。
あの時の本命は時間稼ぎの後のタケミカヅチではなく、影分身であったのだ。
「ええー?」
自身と互角に戦っていた相手が霞みのように消えた事にドニは驚いたようだ。
ならばどこだと視線を動かすドニの右手を誰かが掴む。
「シルバーアーム・ザ・リッパー」
突然現れたアオがドニの右手を掴み上げそう呟くと、ドニの右手を覆っている銀色がアオの右腕へと移って行く。
アオは影分身をした後、ミラージュハイドの魔法や、絶などを使い、距離を取って、この瞬間がくるまで隠れていたのだ。
「な、なに?」
驚くドニだが既に遅い。ドニの腕からは銀色が抜け落ちて、手に持った大剣も輝きを失っている。それに変わりアオの右腕が銀色に輝いていた。
『偸盗《タレントイーター》』
アオが速須佐之男命から簒奪した権能で、その能力は他者からの能力の強奪である。
しかし、発動には幾つかのプロセスが必要なようだ。
まず、その技の発動をその目で見る事。
次はその技を自分の身で実際にくらう事。
そして相手に触れてその技の名前を呼び言霊でもって拘束し、強奪する。
この名前とは、その物を現す物ならば使用者が名付けたものでなくても良いようだ。
他にも幾つか条件がある内の三つ、今回は上記の三つを満たして発動条件をみたしたのだ。
戦いの中でこの能力の使い方を感じ取ったアオは、この能力を使い、ドニからシルバーアーム・ザ・リッパーを奪い取ったのだ。
アオはドニから手を離し、ソルを抜き放つと、銀色に輝く腕を振り上げ、ドニを斬り付けた。
「くっ…」
バキンッ
振り下ろされたソルに
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