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初戦闘
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、俺の入れた魔法は初期のやつと地属性魔法と倍加魔法だけしか入れてない」

「いや、俺からすれば十分多いから」

 そう言ってユイから教えてもらった魔法を唱えると、全員の身体を光が包んだ。ゲツガは特に何も怒ってないのでキリトたちに何が起こったが聞いた。

「なあ、さっきの魔法なんだったんだ?」

「え、視界が明るくなっただろ?」

「いや、もともと明るかったんだけど」

「そういえば、ケットシーって案外設定が優遇されてるような気がするしね。それにしても、この暗視魔法は便利ね。スプリガンも捨てたもんじゃないわね」

「そうらしな。俺は特に意味ないけど」

「お前等、その言い方は傷つく」

「うふふ。いやでも実際、使える魔法くらい覚えておいたほうがいいわよ。いくらスプリガンのしょぼい魔法でも、それが生死を分ける状況だってひょっとするとないとも限らないし」

「そうらしいぜ。しょぼい魔法でも」

「うわ、更に傷つく!っていうかゲツガは俺を傷つけるしかないだろ!」

「ああ」

「うわッ!こいつマジで言いやがった!」

 そう言ってゲツガ達は曲がりくねった洞窟を下っていった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 洞窟から少し離れた茂みに数十人のパーティーがいた。

「おい、あいつら百メートル以上離れてるのに何で気付いたんだ!しかも、片方は弓で一人に攻撃を当ててきたぞ!」

 一人のプレイヤーがリーダーらしきメイジの男に言う。

「慌てるな。ただ、弓を引いてたまたま当てただけだろう。気にすることはない。作戦はこのまま続ける」

 メイジのリーダーらしき男は蝙蝠に映った三人のプレイヤーを見ながら口を吊り上げて笑った。
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