第二十一話『クラス対抗戦〜乱入〜』
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ているな」
「それもそうでしょう。なんたって今注目の一夏さんと鈴さんの試合なんですから」
「そう言うものなのか……」
モニターに映された、鈴音のIS“甲龍”にスウェンは注目した。
(中国の開発した第三世代型IS、甲龍か……)
赤黒い装甲に特徴的な非固定浮遊部位を持つ、その容姿を見て
「龍というのだから、どこか龍の要素があると思ったんだが……」
「何処に期待しているのだ、お前は」
箒の鋭い言葉にスウェンは黙り込む。
『それでは両者、試合を開始してください』
開始の合図と共に、一夏と鈴音は動き出した。一夏の“雪片弐型”と鈴音の“双天牙月”。それぞれの武器が重なり合うたびに響く音、走る火花。
鈴音の斬撃に押されながらも何とか受け止めながら後方に飛ぶ一夏。双天牙月をまるでバトンのように軽々と扱い、一夏をどんどん追い詰めていく。
何とか隙を見つけ一旦距離を取ろうとした一夏だが、甲龍の片方の非固定ユニットが光り、空間が爆発するような衝撃に一夏は吹き飛ばされる。
「何ですの今のは!?」
「あれが“衝撃砲”か」
「衝撃砲?」
「ああ、空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃を砲弾として打ち出す兵器。データでは見たが、あれが第三世代兵器“龍砲”か」
「砲身の射角がほぼ制限無しで撃てるようですね……しかも砲弾自体が見えないなんて」
画面前の椅子に座る真那がそう言うと、箒は表情を強張らせる。一方のスウェンは表情一つ変えずに、戦闘を見続ける。するとスウェンは一夏の動きの変化に気づいた。
「織斑君、何かしようとしてますね」
「瞬時加速だろう。私が教えた」
「瞬時加速?」
真那の後ろに立つ千冬は頷き
「一瞬でトップスピードを出し、敵に接近する奇襲攻撃だ。出しどころさえ間違わなければあいつでも代表候補生と渡り合える。ただし……通用するのは一回だけだ」
その言葉を聞き、スウェンは
(瞬時加速に白式の単一能力の零落白夜……上手く事を運べれば……)
もしくは、という言葉を考えるその瞬間
「「「ッ!?」」」
すさまじい衝撃がアリーナを襲った。同時にアリーナの中央から発生した爆炎と煙が巻き上げられ辺り一面を覆う。
「な、何が起きましたの!?」
「システム破損! 何かがアリーナの遮断シールドを貫通してきたみたいです!」
「試合中止! 織斑、凰! 直ちに退避しろ!」
状況を直ぐに判断し、一夏と鈴音に通信をする千冬。
「これは……アリーナに所属不明機を確認!」
その時、煙
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