第二話
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かれたところまで行くと、辺りをきちんと確認しところどころに仕込んであるナイフの場所を確認して、そのまままっすぐに進み始めた。
その先には、外来人の少年がすたすたと歩いていた。
「やっぱり俺か……」
俊司は微かな気配と視線を背後から感じ取っていた。
「二人に誰か確認してくれとは言ったものの……そこからどうするべきか……」
妖夢と鈴仙から別行動をとり始めておよそ五分は経過していた。時間的に二人が尾行している人物を確認した可能性は高い。攻撃をしないということは尾行者が革命軍の人物ではないということなのだろうと俊司は考えていた。
とは言えど、何かしなければ状況が変わるわけではない。そこで考えた結果、俊司は挑発を行うことにした。
ポケットから自身の携帯を取り出した俊司は、誰かに電話をかけるマネをしてしゃべり始めた。
「……もしもし、里中です。はい……命令通り霧の湖の基地に来ましたが、予想通りやつらが徘徊している様子はありませんでした。……はい……」
もちろん全部独り言である。だが、尾行してくる人物をだますのにはちょうどいい芝居だった。
「やっぱり……革命軍ね。となると……あの二人はいいように使われてるのかしら……まあ、誰かを人質にとられたら何もできないものね……」
女性はそう言いながら数本のナイフを手にとり、しゃべり続ける外来人を睨みつけた。
「殺しはしないけど……行動ができないくらいにしましょうか……」
そう言って女性は目をつむり、ゆっくりと息を吐いた。
すると、さっきまで流れていた風は一瞬にして止まり、しゃべっていた少年もピタリと動かなくなってしまった。時間を止めてしまったのである。
女性はそれを確認すると、物陰から出て少年の周りにナイフを並べ始める。四方八方逃げられないように配置すると、女性は少年から再び距離をとり腕を組んだまま溜息をついた。
「さてと……少し我慢してもらいましょうか……」
と言って女性は再び時間を動かす……
はずだった。
「うわっ……ご丁寧にナイフをばらまいていらっしゃる」
俊司はそう呟いて携帯をポケットにしまった。
女性は腕を組んだまま表情一つ変えず俊司を見ている…と言うよりかは止まっているようだった。そう、今度は俊司の能力が発動し、彼以外の時間が止まってしまったのである。
「尾行していたのは咲夜さんだったのか……確かにここから紅魔館は近いからな。またどうしてこんなところに……」
そう言いながら俊司は女性の背後に立つ。
「う〜ん、おそらくもう一回攻撃してくるだろうしな……ちょっとからかってみるか」
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