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皇帝ティートの慈悲
第二幕その六
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テリア様か)
 セストの心もまた葛藤していたのだった。顔には汗でしか出ていないが。
(ヴィッテリア様のことは言えない。どうすれば)
「言ってくれ」
 またティートは言ってきた。
「私に」
「元老院の判決の通りです」
 セストはヴィッテリアを選んだ。沈痛な顔の裏で。
「私が申し上げるのはそれだけです」
「言うことはないというのだな」
「そうです」
 ティートの問いに対しても答えた。

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