第十四話「焼き鳥屋フェニックス……うん、良い屋台看板だと思うけど」
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放課後、僕はいつものように旧校舎のオカルト研究部へと向かっていた。イッセーとアーシアちゃん、木場君も一緒だよ。
昨夜はあれから何事もなく契約取りを終えた。初めて契約取りを成功させたからか、アーシアちゃんはいつにも増してご機嫌な様子。ニコニコ笑顔の周りにお花マークが乱舞しているように見えるほどだ。
そういえば、ここ最近のリアスちゃんは何だか様子が変だ。考え事が多いし、なにか悩み事でもあるのかな?
「部長のお悩みか。恐らくグレモリー家に関することだろうね」
と木場くん。グレモリー家ってことはリアスちゃんのお家で何かあったのかな。
「朱乃さんなら何か知ってるか?」
イッセーも気になっていたのか話に加わった。
「朱乃さんは部長の懐刀だからね。もちろん知っていると思うよ」
「おー、懐刀ー」
懐刀って、語呂悪いと思うのは僕だけかな?
部室の扉の前に到着すると、木場くんが急に立ち止まった。その顔は少し強張っているように見える。顔色も少し悪いね。
「……まさか、僕がここまで近づかないと気配に気づかないだなんて……」
なんだかショックを受けている様子だけど、大丈夫かな?
ま、いいか。
大して気にせず部室の扉を開く。室内には朱乃お姉ちゃんとリアスちゃん、小猫ちゃんの他に銀髪の女の人がいた。
無表情でリアスちゃんの斜め後ろに佇む銀髪ちゃんは何故かメイド服姿。……リアスちゃんのメイドさん?
当のリアスちゃんはなぜか不機嫌だし、朱乃お姉ちゃんもいつものニコニコ顔だけど何処となく冷たいオーラを醸し出している。小猫ちゃんは部屋の隅の椅子に座って静かに本を読んでいた。一人だけ我関せずのスタイルの小猫ちゃんに憧れを感じます!
まあ、総じて何だかよく分からない空気と化している部室内に小首を傾げ――そのまま朱乃お姉ちゃんの元に直行した。朱乃お姉ちゃんも僕の姿を目にすると、それまでの冷たいオーラを引っ込ませていつもの歓迎オーラを漂わせる。
「お姉ちゃーん!」
僕の好きなニコニコ顔のお姉ちゃんの胸にダイブ!
「あらあら、危ないですわよ」
難なく受け止めた朱乃お姉ちゃんは「しょうがない子ね」と言わんばかりに頬を緩ませた。そのままいつもの定位置である膝にお座りして、ぐでーっと力を抜き、お姉ちゃんに身体を任せる。丁度、後頭部がおっぱいに位置して枕代わりになるのですよ。ふわふわ〜。
なんだか、それまでの緊迫した空間が壊れて何とも言えない空気が流れるけど、僕はそんなもの気に留めない。
「あなたは、相変わらずね」
「あはは……」
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