第十四話「焼き鳥屋フェニックス……うん、良い屋台看板だと思うけど」
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
じゃない! 古い家柄の悪魔もそれくらいの権力はあるわ!」
激昂した部長の声が響き渡った。それを聞いて、ソファーに深く腰掛け足を組んでいたライザーの機嫌が悪くなる。
「……そうもいかないんだよ、リアス。俺はこれでもフェニックス家の看板を背負ってるんだ。この名前に泥を塗るわけにはいかない。どうしても純血の上級悪魔同士のお家同士がくっつかないといけないんだよ」
ライザーの目元が細まる。
「それにな、本当はこんな狭くてボロい人間界の建物なんかに来たくなかったんだ。というより、俺は人間界が好きじゃない、むしろ嫌いだ。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては耐え難いんだよ!」
立ち上がるライザーの周囲を炎が渦巻いた。
「俺は君の下僕全員を燃やし尽くしてでも、君を冥界に連れて帰るぞ」
ライザーから放たれる殺意が膨れ上がった。俺の腕に震えながら抱きつくアーシアを庇いながら周囲に目を向ける。木場に小猫ちゃん、朱乃さんは既に臨戦態勢を整えており、部長もライザーに対抗して全身に紅い魔力を纏う。この状況下でまったく態度を変えていないのは、涼しげに見守るグレイフィアさんと、穏やかな寝息を立てるレイだけだった。
「お嬢様、ライザー様、落ち着いてくださいませ。これ以上は私も看過できません。サーゼクス様の名誉のためにも私は一切の妥協はしないつもりです」
静かな重圧を伴ったグレイフィアさんの言葉に、部長とライザーの顔が引き攣った。炎を鎮めるライザーに部長も魔力を散らせ、木場たちも戦闘態勢を解いた。
「……最強の『女王』と称されるあなたが相手では流石の俺も引かざるをえないな。バケモノ揃いのサーゼクス様の眷属とは争いたくないからな」
サーゼクス様って確か部長のお兄さんだよな。昨日チラッと聞いたけど。なに、お兄さんの眷属ってそんなに強いんですか?
部長とライザーの戦意が無くなったのを確認すると、再びグレイフィアさんが口を開く。このままでは永遠に話は平行線のため、両家が最終手段を取り入れることにしたらしい。
「最終手段? どういうこと、グレイフィア?」
「お嬢様。ご自身の意思を推し通したいのなら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのは如何でしょうか?」
それを聞いた部長はひどく驚いた様子だった。
――レーティングゲーム? どこかで聞き覚えのあるような……。
「爵位持ちの悪魔が行うゲームだよ。〈兵士〉、〈騎士〉、〈戦車〉、〈僧侶〉、〈女王〉を用いて下僕同士を戦わせて競うんだ。戦うゲームの強さが悪魔内での上下関係を決めるんだよ」
首を傾げていると木場が説明を入れてくれた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ