第十四話「焼き鳥屋フェニックス……うん、良い屋台看板だと思うけど」
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ている。ポケットに手を突っ込んだその姿はどこぞのホストのような出で立ちだ。
男は部長に目を向けると、口角を吊り上げた。
「愛しのリアス、会いに来たぜ」
――――。
……は?
一瞬、男が何を言っているのか分からなかった。
――い、愛しのリアスだぁぁぁあああああん!??
部長は半眼で男を睨みつけており、朱乃さんも冷たい目で男を見据えている。これはどう見ても歓迎ムードじゃないな。
なんだか、また面倒なことになりそうだ。
† † †
昨夜の部長の『処女奪って発言』を切っ掛けに知り合った、グレイフィアさんの話をざっと脳内でまとめる。この真っ赤なホスト野郎はライザー・フェニックスといい、純潔の上級悪魔。古い家柄を持つフェニックス家の三男で、お家同士が決めた部長の婚約者らしい。しかし、部長の様子からして好感は持たれていない、と。
うん、一言。
――ライザー、ざまぁ!
こっちとら昨夜、部長の裸体を拝んでるんだよ! 現時点で嫌われているホスト野郎と俺では既に勝負はついたも同然じゃないか! ふははははは!
「どうしたんですか、イッセーさん? そんなに嬉しそうな顔をして」
隣にいるアーシアが怪訝そうに聞いてきた。いかんいかん、ついつい脳内でライザーに勝利宣言しちまった。
今、俺たち眷属は部長たちから離れた席に集まり、二人の様子を窺っている。とはいっても、向こうに注意を向けているのは俺とアーシア、木場の三人だけなんだけどね。
小猫ちゃんはケーキを食すのに夢中だし、朱乃さんはレイを愛でるのに夢中。というか、お二人さん完全にライザーのこと無視してるよね?
「……卑猥な妄想厳禁」
小猫さんケーキを食べていたんじゃないんですか!? しかもいつの間に読心術なんかを修得したんスか! 俺にも教えて下さい!
「イッセーくん、顔がすごいことになってるよ」
木場が苦笑して言う、傍にある姿見を見てみると、確かにこれ以上ないほど頬が緩んでいた。
「何か楽しいことでもあったんですか?」
うっ、アーシアのこの屈託のない笑顔が眩しい。すみません、確かに楽しいことですが、アーシアさんが想像しているのとは違うと思うのです。
アーシアの笑顔に何とも言えないダメージを受けていると――、
「――いい加減にしてちょうだい! 私はあなたとは結婚しないって何度も言ってるでしょうッ! 私は私が良いと思った相手と結婚する! それはライザー、あなた
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